クリスマス時期になるとスーパーでも苺(いちご)を目にするようになります
ケーキや大福、ジャムなどのスイーツで食べるのはもちろん、
そのままで食べても甘くておいしい人気のフルーツです
食べるだけでなく見た目も可愛いですよね
そんな見た目も可愛いイチゴの色素を使って草木染めをします
今回は、自然な色に染まる煮染めと鮮やかな色に染まる花びら染めの2種類です
- イチゴを使った染色ってどうやるの?
- どうやればイチゴ本来の可愛い色が出せるの?
イチゴの出荷時期は11~5月ごろで、旬は3~4月ごろです
ですが、今回は冷凍のイチゴを使用したので季節を気にすることなく
手軽に草木染めが楽しめます♪
※生のイチゴを使用する場合も一度冷凍してから染色した方が色素が取り出しやすいです
この記事では、
- 初心者でも分かるイチゴを使った草木染めの方法
- 可愛いイチゴ色に染める簡単なやり方、コツ
- 煮染めと花びら染めの発色の違い
を画像を交えて紹介します
特に花びら染めは火を使わないので、自由研究のテーマにもおすすめです
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
イチゴを使った煮染めをするときの11のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- イチゴとたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後、火を弱め20分煮出す
- ザルで濾した液にクエン酸小さじ1を加えたものを染料とする
- 染める布を入れ火にかけ、沸騰後火を弱めて20分煮染めする
- 20分煮染め後、火を止めてそのまま30分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
イチゴを使った花びら染めをするときの11のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 不織布に入れたイチゴと食物酢をボウルに入れる
- 不織布の中のイチゴをすり潰すように揉んで色素を出す
- イチゴを取り除き水を加え、よく混ぜ染料とする
- 各媒染液ごとに染料を分け、そこに直接媒染液を入れてよく混ぜる
- 布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
イチゴって甘くておいしい~
見た目も可愛いよね♪
苺ミルクみたいなピンク色って草木染めで出せるのかな?
イチゴの可愛い色が出せるか、草木染めしてみよう!
いちごで草木染めを始めよう
2021年12月24日天気(晴れ) 22℃ 30%
ストロベリーの生ジュースや苺ミルクは美味しいし、色もピンクで可愛いです
このイチゴそのものの色で布を染めてみたいと思うようになりました
そのまま食べても美味しいイチゴを染色に使うのは気が引けたのですが・・・
今回は冷凍イチゴを使って染色をしていこうと思います
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、布の重さはハンドメイドパーツを含めて全部で15g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
イチゴは200g使います
イチゴを使った煮染め
イチゴを使った煮染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳) 、 冷凍イチゴ(今回は200g)、
ザルで濾した染料を受ける容器×1個、ザル×1個、 前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製) 、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン) 、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶 )、重曹(マルフクケミファ(株 ))、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖) 、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳( 今回は割り箸 )、
キッチンスケール
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料はタンパク質が無いと染まりにくいです
植物性の染め物(木綿など)は、タンパク質が無いので豆乳などで人工的にタンパク質をつけてから染色作業に入ります
※動物性の染め物(ウール、シルクなど)は、初めから動物性たんぱく質があるので濃染処理の必要はありません
20~30分浸したら水洗いをせずそのまま固く絞り、シワをしっかり伸ばし平置きでよく乾かしましょう
いちごの染料に入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
イチゴと水1.5ℓをホーロー鍋に入れて火にかけます
沸騰後、火を弱めて時々菜箸で揺り動かしながら20分煮出します
20分後ザルで濾したものにクエン酸小さじ1を加えたものが染料です
※クエン酸を加えることによって、よりイチゴらしい鮮やかな色に染まるのでお好みの色になるまで加えましょう
染める布を入れて20分煮染めし、その後そのまま30分放置します
煮染めの際は、染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
いちごで煮染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
30分後布を取り出し、染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
今回の無媒染は染料にクエン酸を加えているので色止めになっています
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ10分煮染め後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は染色・媒染を1回で終わりにしました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染は、少しくすんだピンク
- 酸(クエン酸)は、少しくすんだ淡いピンク
- アルミ(ミョウバン)・アルカリ(重曹)は、ミルクティー色
- 銅は、ベージュ色(アルミ・アルカリより茶色が濃い)
- 鉄は、若干ピンクがかったグレー
各媒染液の色は、
酸のみうっすらピンクで、他は変化がみられませんでした
最後にもう一度
イチゴを使った煮染めをするときの11のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- イチゴとたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後、火を弱め20分煮出す
- ザルで濾した液にクエン酸小さじ1を加えたものを染料とする
- 染める布を入れ火にかけ、沸騰後火を弱めて20分煮染めする
- 20分煮染め後、火を止めてそのまま30分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
イチゴを使った花びら染め
イチゴを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳) 、 冷凍イチゴ(今回は200g)、
前処理用ボウル×1個、
色素を揉みだす用のボウル×1個 (ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
ペットボトルを切ったもの(染料・媒染液を入れる用)×6個、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン) 、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶 )、重曹(マルフクケミファ(株 ))、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖) 、
食物酢、計量スプーン、水、計量カップ、菜箸×2膳 (今回は割り箸)、
キッチンスケール、不織布、輪ゴム、ビニール手袋
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
イチゴ200gを不織布に入れ、イチゴが出ないように輪ゴムで縛ります
ボウルに不織布に入ったイチゴと食物酢250㎖を入れます
手荒れ防止にビニール手袋をして、不織布の中のイチゴをすり潰すように揉みましょう
全体をすり潰して充分色素が抽出できたら、不織布をよく絞って取り除きます
不織布に入れるとザルで濾す必要が無いので楽チンです♪
抽出した色素に水650㎖を加えて、よく混ぜたものを染料とします
2ℓペットボトルを切った容器に約150㎖ずつ染料を分けます
それぞれの染料に媒染液を加えます
鉄媒染だけ離しておきましょう
いちご花びら染めの各媒染剤の量
- 無媒染は、食物酢が入っているので色止めの役目をしています
- アルミ・酸・アルカリは、それぞれ小さじ1/3
- 銅・鉄は、それぞれ5㎖
画像では分かりにくいかもしれませんが
媒染剤を入れると銅は少し暗めの色になり、アルカリは中和されたのか少し色が薄くなりました
それぞれに布を入れ、
染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしながら、1時間染料に浸けます
布を取り出し、染料のカス・媒染剤が残らないようにしっかり水で洗います
もし洗い終わって思ったより薄いと感じたら、もう一度染料に浸けて洗いましょう
今回は1回の染色で終わりにしました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
↑花びら染めキットを作りました!
- 無媒染・アルミ(ミョウバン)・銅は、苺ミルク色
- 鉄は、少し紫がかった薄いピンク
- 酸(クエン酸)は、鮮やかなイチゴ色
- アルカリ(重曹)は、淡いピンク
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
花びら染め(食物酢色止め)無媒染を使って巾着をハンドメイドしました
布のピンクの部分がイチゴ染めです
パーツには紅茶の銅媒染、春ウコン酸媒染、ブルーベリー花びら染め鉄媒染、春ウコンの根の酸媒染、ナスの花びら染めアルミ媒染を使って染色しています
草木染め・野菜染め・果物染めの優しくてあったかい色が特徴の作品です
minneにて出品していますので良かったら覗いてみてください(*’ω’*)
最後にもう一度、
イチゴを使った花びら染めをするときの11のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 不織布に入れたイチゴと食物酢をボウルに入れる
- 不織布の中のイチゴをすり潰すように揉んで色素を出す
- イチゴを取り除き水を加え、よく混ぜ染料とする
- 各媒染液ごとに染料を分け、そこに直接媒染液を入れてよく混ぜる
- 布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
イチゴを使った草木染めでは、
煮染めは自然な優しい色に染まり、花びら染めではかなり鮮やかな色に染まりました
ブルーベリーやナスは青系でしたが、イチゴではピンク系で染め分けられました
イチゴは色素が強いのか、かなり良く色が乗ったので染色をしていて楽しかったです
染色に使う材料は冷凍保存した方が色素を取り出しやすいものが多いので、冷凍のフルーツは適した材料だと思います
冷凍であれば季節関係なく、いつでも草木染めに挑戦できます!
冷凍フルーツを使った美味しいスムージーは、
【子供と一緒にカンタン楽しい料理体験】GREEN SPOON徹底レビュー!口コミでも人気のおすすめミールキットの記事へ
次回は、ミカンの皮で果物染めをします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
いちご | 椿 | つつじ |
シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
サザンカ |
草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
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