5月になって庭に咲き始めたシラン
一体いつから咲くようになったのか分からないのですが、我が家には白と赤紫の花が咲いています
気付けば庭の色々なところに広がっていて驚きます
5月終わりごろになって綺麗に咲いていたお花の時期が終わって徐々に散り始めてきました
その散ってしまったお花を少しずつ集め、洗って冷凍して溜めていきます
※冷凍することによって細胞が壊れて、色素が取り出しやすくなります
シランに限らず、
花びら染めをするときは多少枯れてしまっていても色素が残っているので問題ありません
- シランを使った花びら染めってどうやるの?
- 簡単なやり方が知りたい!
- 花びらと同じ色に染まるの?
花びら染めのやり方の前に、そもそもシランってどんなお花かというと
ラン科シラン属で多年草のシラン(紫蘭、しらん:Hyacinth orchid)は、日本、台湾、中国が原産です
草原などに自生していて、葉は幅が広くて長く、茎も細長く30~50㎝
4~6月に茎の先に数個の花が咲き、花びらは細長く赤紫・白・斑点入りなどの色があります
今回はこのシランの花びらを使って草木染めをしていきます
YouTubeでシランを使った花びら染めを公開中!
他にもたくさんの動画をあげていく予定なので、
よろしければ『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします♪↓↓↓
この記事では、
- 初心者でも分かるシランを使った花びら染めの簡単なやり方、コツ
- 媒染液を使った色止め、染め分けの方法
- 染まった布の色
を画像を交えて紹介します
花びら染めは火を使わないのでお子さんと楽しんだり、自由研究のテーマにもおすすめです
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
シランを使った花びら染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- シランの花をきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたシランの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中の花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- 花びらの入った不織布を取り除き水を加え、よく混ぜて染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
庭に咲いてる結構濃い色のお花って何だろう?
山野草で『シラン』っていうみたいだよ
なんだか親しみがあるけど気品があるお花だなあ
お花の色も濃いし、
散っちゃったお花で花びら染めしてみよう♪
シランで草木染めを始めよう!花染めのやり方
2022年6月3日天気(曇りときどき雷雨) 26℃ 65%
綺麗に洗って冷凍保存していた花を使って花びら染めをします
散ってしまったシランの花なので、少し枯れてしまったものも含まれています
多少枯れていても色素が残っているので大丈夫です
地道に溜めていきましょう
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、布の重さはハンドメイドパーツを含めて全部で14g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブー〈竹〉など) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
シランの花びらは、いつものごとく50g集めたかったのですが、そろそろお花がなくなってきたので
今回は43gです
※染める布の重さによって花びらの量を調節してください
シランを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、シランの花びら(今回は43g)、
前処理用ボウル×1個、
色素を揉みだす用のボウル×1個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
食物酢、計量スプーン、水、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、不織布、輪ゴム、ビニール手袋
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
シランの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
冷凍していたシランを耐熱容器に入れラップをして電子レンジで約40秒温めます
温めることによって細胞が壊れて、より色素が取り出しやすくなります
また、冷凍のままだと手が冷たくて作業が続けられないので注意してください
時間があるときは自然解凍でも大丈夫です
シラン43gを不織布に入れ、中身が出ないように輪ゴムで縛ります
不織布に入ったシランと食物酢250㎖をボウルに入れます
手荒れ防止にビニール手袋をして、不織布の中のシランをすり潰すように揉みます
全体をすり潰してシランの花びらの色素(アントシアニン)が充分抽出できたら、不織布をよく絞って取り除きます
不織布に入れるとザルで濾す必要が無いので楽チンです♪
抽出した色素はブドウの皮よりも薄い赤ワイン色!
そこに染める布にかぶる程度の水を加えて、よく混ぜたものを染料とします
今回は水150㎖を加えました
※花びら染めは、なるべく水を少なくした方が染まりやすいです
布を浸けて、時々菜箸で揺り動かしつつ1時間待ちます
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
シラン染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
1時間後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
花びら染めでは食物酢で色素を出しているので、無媒染でも酸による色止めの効果があります
なので、やらなくてもいいのですが慣例通りにクエン酸媒染も行います
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ20分浸けて、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は花びらが少なめでしたが1回で染まったので、
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
↑花びら染めキットを作りました!
- 無媒染は、明るいピンク(ベビーピンク)
- 酸(クエン酸)は、無媒染よりも薄い明るいピンク
- アルミ(ミョウバン)は、かなり淡いうすだいだい
- 銅は、薄い茶色がかったオレンジ
- 鉄は、薄いくすんだピンク(ダスティピンク)
- アルカリ(重曹)は、かなり薄いグレー
前述したように無媒染でも食物酢の酸で色止めになっています
クエン酸媒染は、
同じ酸なので無媒染と同じ結果になりそうですが、媒染液に浸けるという工程があるため同系色ですが薄くなってしまいます
ブドウの皮の染料を薄くしたような染料でしたが、染まり上がりは全く違うものになりました
シランは暖色のピンク系で、ブドウは寒色の青系でした
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミは少し青みがかった薄いピンク、銅は紫、
鉄は少し黒ずんだ薄いピンク、酸はピンク、アルカリは黒ずんでいる
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
染色の作業が終わったら・・・・・
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
最後にもう一度
シランを使った花びら染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- シランの花をきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたシランの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中の花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- 花びらの入った不織布を取り除き水を加え、よく混ぜて染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
シランは赤紫のお花で、染料も赤ワインのような色でしたが、
染めると淡い暖色系になりました
草木染めをすると自然に触れあっているようで、なんだか落ち着きます
染まった色も優しくてかわいい自然な色になるので、お子さんと楽しんでみてはいかがでしょうか?
次回は、うど(独活)を使って草木染めをします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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