秋が深まって気温が下がり、そろそろ冬が訪れそう
そんな季節になると、いよいよ我が家の畑の里芋の収穫をする時期です
たっくさんの里芋が取れると、
煮物にしようかな、味噌汁に入れようかな、それともサラダにしようかなとワクワクします
その反面、
毎年悩まされるのが、あの泥だらけの里芋の処理です
泥にまみれた里芋を1つずつ丁寧に洗っていきます
気を付けていても作業が終わるとシンクに飛び散っている泥、泥、泥・・・
毎回、シンクの清掃作業付き!
里芋を処理すると一緒にたくさん採れるのが根っこです
いつもは捨てていた里芋の根、今回は染色してみようと思います
以前染めた春ウコン、秋ウコン、紫ウコン、黒ウコンの根のように
あまり染まらなそうとは思いますが、やらずに捨てるのは勿体ないので挑戦してみます
- 里芋の根を使った染色ってどうやるの?
- 何色に染まるの?
- やっぱりあまり染まらない?
東南アジア原産でサトイモ科サトイモ属の里芋(さといも;taro)は、芋だけでなく葉(芋茎〈ズイキ〉)も食べることが出来ます
収穫時期は10~11月下旬で、霜が降り始めると傷んでしまうので注意が必要です
この記事では、
- 初心者でも分かる里芋の根を使った草木染めの方法
- きれいに染める簡単なやり方、コツ
を画像を交えて紹介します
里芋はスーパーで購入することが出来ますが、根を手に入れるのは大変です
もし栽培している方がいたら根をいただいて染色してみてください
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
里芋の根を使った草木染めをするときの10のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ハサミで細かく切った里芋の根とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後、火を弱め30分煮出しザルで濾した液に重曹小さじ1加えたものを染料とする
- 染める布を入れ沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後そのまま30分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後は水洗いをせず、そのまま媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
だいぶ寒くなってきたね~
じゃあ、そろそろ里芋の収穫しないとね
里芋!
煮物、豚汁、そのまま醤油つけて食べるのも美味しいよね♪
うん、いっぱい料理作ろう!
あと今回は染色もしてみようかな!
里芋の根で草木染めを始めよう
2023年4月2日天気(曇り時々晴れ) 17℃ 55%
我が家の畑で採れた里芋
綺麗に洗って処理するついでに根も綺麗にして洗って冷凍保存しておきました
その里芋の根を使って草木染めをしていきます
冷凍保存をすると、いつでも好きな時に染色が出来るので便利です
今回用意したのは里芋の根322g
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
里芋の根を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、里芋の根(322g)、
ザル×1個、ザルで濾した液をうけるボウル×1個、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、キッチンタイマー、ハサミ
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
なぜ豆乳に浸すかというと、染料はタンパク質と反応して色がつきます
今回は綿100%の植物性の布を染めるので、人工的にタンパク質を付ける必要があるからです
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水で洗わないでください
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
里芋の根の染料に入れ煮染めする方法
前述のように染め物を前処理して、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
里芋の根(322g)をハサミでザックリ細かくしてホーロー鍋に入れ、水1.5ℓを加えて火にかけます
沸騰後、火を弱め時々菜箸で揺り動かしながら30分煮出します
30分後、里芋の根をザルで濾します
ザルで濾した液に重曹小さじ1加えてよく混ぜたものが染料です
※染料の色が薄かったので重曹を加えて濃くしています
染め物を入れて沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後、そのまま30分おきます
染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
里芋の根染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
鉄媒染液は他の媒染に影響を与えてしまうので、
使用する菜箸は鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
30分後、無媒染は布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
染まる色が薄いため媒染をする布は染料から取り出して水洗いをせず、そのまま媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め
- 水で洗わず媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返すという作業をします
今回は薄かったので、染色→媒染を2回繰り返しました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染・アルカリは、薄いピンク(アルカリの方が少し濃い)
- アルミは、ピンクがかった薄いオレンジ
- 銅は、ピンク
- 鉄は、グレー
- 酸は、かなり薄いオレンジ
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミは薄いピンク、銅は少し黒ずんだピンク、鉄は黒ずんだ茶色、酸は薄い茶色、アルカリはオレンジがかったピンク
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
里芋の根を使った草木染めをするときの10のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ハサミで細かく切った里芋の根とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後、火を弱め30分煮出しザルで濾した液に重曹小さじ1加えたものを染料とする
- 染める布を入れ沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後そのまま30分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後は水洗いをせず、そのまま媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
里芋の根では、ピンク・オレンジ・グレーと淡いながらも各媒染液によって染め分けられました
これは根の量が多く、たくさん色素が得られたからだと思われます
今回、染色には綿を使いましたが、シルクやウールなど動物性の材料で染めるとより濃く綺麗に染められます
春ウコン・秋ウコン・紫ウコン・黒ウコンの根では、薄いかほば染まりませんでした
こちらももっと量が多ければ、しっかり色が付いたかもしれません
量を集めるのは大変ですが機会があれば再度挑戦したいと思います
次回は、春のお花『ボケ(木瓜)』で染色をします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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