サラダやハンバーガー、サンドウィッチに使われるレタス
シャキシャキした食感がとっても美味しいですよね
キク科アキノノゲシ属のレタス(lettuce:学名Lactuca sativa)は、地中海沿岸・西アジア原産の一年草(または二年草)です
レタスは葉が巻いている玉レタス、巻いてないサニーレタス・グリーンリーフ・ロメインレタスなどたくさんの種類があります
今回は、そんなレタスを使った野菜染めです
- レタスを使った染色ってどうやるの?
- ちゃんと染まるの?
レタスは、お料理の際に傷んでいて捨ててしまうところを洗って冷凍して地道に溜めていきます
たくさんの野菜の中でも、レタスはあんまり色が採れなそう・・・・・
葉物野菜なので、やはりフラボノイドとクロロフィルを抽出しますが、ちゃんと染まるでしょうか?
この記事では、
- 初心者でも分かるレタスを使った草木染めの方法
- フラボノイドとクロロフィルの抽出の仕方
- きれいに染める簡単なやり方
を画像を交えて紹介します
野菜の傷んでしまった部分も捨てずに利用できるなんてエコですよね
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
レタスを使った草木染めをするときの10のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- レタスはフラボノイド(黄色)は染まるが、クロロフィル(緑)は含有量が少なく染まりにくい
- 1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で30分煮出す
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水にフラボノイドで使用した出し殻と重曹小さじ2を加え30分煮出す
- 煮染めは沸騰後火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま10分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
グリーンサラダ作ろう♪
レタスをちぎって・・・
もしレタスの傷んでるところがあったらとっといてね
何に使うの?
草木染めしようと思って!
何色に染まるか楽しみ~♪
レタスで野菜染めを始めよう
2022年8月25日天気(くもり) 28℃ 70%
レタスは色味的にあまり色素が出なそうなので多めに溜めよう!
と、今まで料理の際に傷んだところを見付けては洗って冷凍を繰り返し、コツコツ溜めてきたレタス
少しずつしか溜まらないので時間がかかりましたが、いよいよ染色をしようと思います
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは各色素で10gずつ
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
レタスはあまり色が付かなそうなので多めに約400g用意しました
レタスを使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、レタス(今回は約400g)、
ザル×1個、ザルで濾したものを受ける容器×1個、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエー焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、キッチンスケール
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
レタスの染料に入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
レタス染め::フラボノイドの抽出と染色
冷凍保存していたレタスと水1.5ℓを鍋に入れ火にかけます
沸騰後少し火を弱め、時々菜箸で揺り動かしつつ30分煮出します
30分後、ザルで濾した液が1番抽出液(フラボノイド)です
※レタスの出し殻は、クロロフィル抽出に使うので取っておきましょう
1番抽出液(フラボノイド)の入ったホーロー鍋に染める布を入れて火にかけます
沸騰しないよう火を弱め30分煮染め
30分後、火を止めそのまま10分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染めの媒染液(色止め・発色の効果)を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
レタス染めの布を水で洗い、各媒染液に浸ける
10分後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染液に浸ける染め物に関しては、今回は水洗いをしましたが染まる色がかなり薄いので、
染色後に水洗いをせずに媒染液に浸ける方がいいです
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かしてアイロンを掛けます
- 無媒染は、薄い茶色
- アルミ・アルカリは、薄いベージュ
- 銅は、薄いこげ茶
- 鉄は、無媒染よりは少し赤みのある薄い茶色
- 酸は、鉄媒染よりかなり薄い赤みのある茶色
各媒染液の色は、
アルカリはごく薄い茶色、アルミ・銅・鉄・酸は変化なし
レタス染め:クロロフィルの抽出と染色
先に言ってしまうと、
※レタスのクロロフィルによる染色は含有量が少ないためか上手く染まりません
フラボノイド抽出に使った出し殻を再びホーロー鍋に入れ、水1.5ℓと重曹小さじ2を加えてよく混ぜ火にかけます
沸騰後少し火を弱め、時々菜箸で揺り動かしつつ30分煮出します
30分後、ザルで濾した液が2番抽出液(クロロフィル)です
2番抽出液(クロロフィル)の入ったホーロー鍋に染める布を入れて火にかけます
沸騰しないよう火を弱め30分煮染め
30分後、火を止めそのまま10分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に新たに媒染液を作り直します
10分後、染料から布を取り出したら水で洗わず、そのまま媒染液に入れます
※洗うと色が落ちてしまう
20~30分、時々菜箸で優しく揺り動かしながら浸けましょう
媒染が終わったら、水でよく洗い日陰でよく乾かしてアイロンを掛けます
- 無媒染・鉄・酸・アルカリは、染まらず
- アルミは、ごく薄く黄色がかっている
- 銅は、ごく薄く黄緑がかっている
各媒染液の色は、全て変化がありませんでした
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
レタスを使った草木染めをするときの10のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- レタスはフラボノイド(黄色)は染まるが、クロロフィル(緑)は含有量が少なく染まりにくい
- 1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で30分煮出す
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水にフラボノイドで使用した出し殻と重曹小さじ2を加え30分煮出す
- 煮染めは沸騰後火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま10分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
レタスはあまり色の濃くない野菜です
その見た目通り、あまり色素が取り出せずかなり薄い色に染まります
フラボノイドでは淡い茶色系に染まりますが、クロロフィルではほとんど色が付きません
まだ試してはいませんが、
前処理した布を媒染をしてから染色したり(先媒染)、綿ではなく染まりやすいウールやシルクなどを使うと違いが出るかもしれません
機会があったら今後試したいと思います
【他のフラボノイドとクロロフィルによる染色】
>【ニンジンの葉で草木染め♪】2つの色素で黄色と緑に!初心者からでも出来る簡単なやり方・コツ
>【青じそで草木染め♪】緑に染めてみよう!初心者からでも出来る簡単なやり方・コツ
>【春菊で草木染め♪】薄い黄色も緑色も!?初心者からでも出来る簡単なやり方・コツ!
>【自家栽培ゆずで草木染め♪】畑の柚子で黄色と緑に!初心者からでも出来る簡単なやり方・コツ
>【かぶ(蕪)の葉で草木染め】茎より葉を多くするのがオススメ!初心者でも出来る簡単な煮染めのやり方
次回は、紫玉ねぎの皮で草木染めをします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
いちご | 椿 | つつじ |
シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
サザンカ |
草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
青じそ | 春菊 | ネギ |
丸葉藍 | ディスポン,アルミ媒染液染め比べ |
コメント