3月に入り、少しずつ暖かくなって来ると庭の植物も少しずつ変化を見せてきます
落ち葉も少し落ちていたので片付けようとすると赤い葉っぱが落ちていました
冬で地味になってしまった庭に真っ赤な葉っぱの木!
オタフクナンテンです
祖父が山野草や盆栽など植物を育てるのが好きで、我が家には昔から生えています
オタフクナンテン(お多福南天、別名ゴシキナンテン:五色南天)は、晩秋から冬に紅葉します
メギ科ナンテン属の常緑性低木で、東アジアが原産です
ナンテンよりも葉に丸みがあり、ナンテンのような赤い実は付きにくいという特徴があります
今回はオタフクナンテンの葉を使った染色です
YouTubeでオタフクナンテンの葉を使った煮染めを公開中!
他にもたくさん動画をあげていますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします♪↓↓↓
- オタフクナンテンを使った草木染めって、どうやるの?
- 簡単なやり方を知りたい!
- 赤い色に染められるの?
今まで、柚子、ウコン、ニンジンなどの緑の葉っぱで染めてきましたが、オタフクナンテンのような赤い葉は初めてです
この綺麗な赤色を抽出して染色をしていきます
媒染液による違いは出るのでしょうか?
この記事では、
- 初心者でも分かるオタフクナンテンを使った草木染めの簡単なやり方
- 赤い色素の抽出方法
- 媒染液による染め分け
を画像を交えて紹介します
今回オタフクナンテンの葉の量は布の重さよりも少し多い量しか採れませんでしたが、優しい色合いなので布の2~3倍の葉を用意した方が綺麗に染まります
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
オタフクナンテンを使った草木染めをするときの11のポイント
- 染める前に布を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した布は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- オタフクナンテンの葉とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ、クエン酸小さじ1/2を加えて火にかける
- 沸騰後火を弱め40分煮出す
- オタフクナンテンの葉をザルで濾して染料とする
- 煮染めは30分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 30分後、火を消しそのまま30分おく
- 再度、火をつけ30分煮染め30分おく
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
庭に赤い落ち葉があったから拾ってきたよ
オタフクナンテンの紅葉した葉っぱだね
すごくきれいな赤色♪
この色で草木染め出来るかな?
オタフクナンテンで草木染めを始めよう
2022年3月4日天気(晴れ時々曇り) 18℃ 35%
我が家の庭で赤く色づいていたオタフクナンテンの落ち葉で染めます
用意した葉は18g
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、パッチワーク用が1枚で重さは合わせて12gです
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
オタフクナンテンを使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、オタフクナンテン(今回は18g)、
ザル×1個、ザルで濾した液をうけるボウル×1個、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(使用可能なボウルはステンレス製・プラスチック製・ホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料はタンパク質が無いと染まりにくいです
植物性の染め物(木綿など)は、タンパク質が無いので豆乳などで人工的にタンパク質をつけてから染色作業に入ります
※動物性の染め物(ウール、シルクなど)は、初めから動物性たんぱく質があるので濃染処理の必要はありません
20~30分浸したら水洗いをせずそのまま固く絞り、シワをしっかり伸ばし平置きでよく乾かしましょう
オタフクナンテンの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
ホーロー鍋にオタフクナンテンの葉と、たっぷりの水(1.3ℓ)とクエン酸小さじ1/2を入れ火にかけます
※クエン酸を加えることによってより鮮やかな赤い色素が抽出できます
沸騰したら火を弱めて、沸騰しないように火加減してください(70~80℃)
時々菜箸で揺り動かしつつ40分煮出しましょう
煮ているときは、うっすら桜餅のような和菓子のような香りがします
40分後、ザルで濾したものが染料です
※ザルで濾したときに空気に触れることによってより赤みが増します
『まさにボルシチのよう!!』
染料を火にかけ染める布を入れて、沸騰しないように火加減をします(70~80℃)
染めムラ防止のため、時々菜箸で揺り動かしながら30分煮染め後、
火を止めてそのまま30分おきます(2回繰り返す)
時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
オタフクナンテン染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
30分おいたら布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め→水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染→水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回染色・媒染は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かし、アイロンをかけます
↓↓↓ウコン草木染めキット販売\無くなり次第終了/
- 無媒染・酸(クエン酸)は、薄いオレンジがかったピンク(サーモンピンク)
- アルミ(ミョウバン)は、アルカリよりは少し濃い茶色のような黄色
- 銅は、薄いくすんだ黄緑(ウィローグリーン)
- 鉄は、黄色がかった薄い灰色(サンドベージュ)
- アルカリ(重曹)は、薄い茶色のような黄色(伝統色の鳥の子色:とりのこいろ)
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
媒染が終わった後のボウルの中は、画像では分かりにくいですが
アルミは薄いオレンジ、鉄は若干黒ずんでいる、酸は薄いピンク、アルカリは薄い茶色、銅は変化なしでした
最後にもう一度、
オタフクナンテンを使った草木染めをするときの11のポイントをおさらいします
- 染める前に布を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した布は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- オタフクナンテンの葉とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ、クエン酸小さじ1/2を加えて火にかける
- 沸騰後火を弱め40分煮出す
- オタフクナンテンの葉をザルで濾して染料とする
- 煮染めは30分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 30分後、火を消しそのまま30分おく
- 再度、火をつけ30分煮染め30分おく
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
今回のオタフクナンテンを使ったアルカリ媒染では、日本の伝統色である鳥の子色(薄い茶色のような黄色)を出すことが出来ました
鶏の卵殻の色のことで、老年者の衣装に使われていた色です
また、オタフクナンテンの紅葉した葉のような鮮やかな赤は出せませんでしたが、無媒染や酸媒染では赤い色素を活かしたピンク系に染まりました
オタフクナンテンは媒染液によって染め分けが出来たので、草木染めの楽しさを味わえる材料でした
【ピンクに染まる他の材料】
>【さつまいもの皮で草木染め♪】皮の色でピンクに染める!初心者でも出来る簡単な煮染めのやり方
>【ミョウガ(茗荷)で草木染め♪】野菜で淡いピンクに染める!初心者でも出来る簡単な花びら染めのやり方
>【シランで草木染め♪】うすだいだい・ピンク!淡いカラーが可愛い!初心者でも出来る簡単な花びら染めのやり方
>【つつじで草木染め♪】淡いピンク・水色・紫!パステルカラーに染めよう!初心者でも出来る簡単な花びら染めのやり方
次回は、燻製チップのくるみで染色します
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
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