我が家の畑には、柚子の木の下にミョウガがあります
味に結構癖がありますが、子供のころから大好きで薬味にしたり卵とじのお吸い物にしたりして食べていました
今年のミョウガはいつもに増して大量です
毎年のごとく家族で食べたのですが、
豆腐の上に薬味として乗せたときに、くすんだ紫のようなピンクのような色が付いていることに気付きました
もしかしたら染められるかも?
と思い上手くいくかは分かりませんが草木染めに挑戦してみようと思います
ショウガ科ショウガ属のミョウガ(茗荷、Japanese ginger学名Zingiber mioga)は、多年草で東アジアが原産です
花穂や芽を食用とし、成長すると草丈は大きくなり葉も20~30cmと大きくなります
今年は収穫が遅く多少花が咲いているものもありましたが、ミョウガの花穂を使って染めてみます
- ミョウガを使った草木染めってどうやるの?
- 簡単なやり方が知りたい!
ミョウガは豆腐に紫やピンクの色が付いたので、アントシアニンという赤紫色の色素が採れそうです
そのため、食物酢を使った花びら染めの方法を試します
アントシアニンがより抽出しやすくなるように、綺麗に土を洗い落として冷凍で保存しておきました
※冷凍することによって細胞が壊れて、色素が取り出しやすくなります
この記事では、
- 初心者でも分かるミョウガを使った花びら染めの簡単なやり方
- 媒染液を使った色止め、染め分けの方法
- 染まった布の色
を画像を交えて紹介します
花びら染めは火を使わないのでお子さんと楽しんだり、自由研究のテーマにもおすすめです
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
ミョウガを使った花びら染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ミョウガをきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたミョウガと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中のミョウガをすり潰すように揉んで色素を出す
- ミョウガの入った不織布を取り除いたものを染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
ミョウガが採れたよ
ホントだ~そうめんの薬味にしようか♪
夏って感じだね!
結構採れたから、草木染めにも挑戦しようかな
ミョウガで野菜染めを始めよう
2022年9月2日天気(雨) 26℃ 80%
色素が抽出しやすいように冷凍保存していたミョウガを使って花びら染めをします
今回まるごと冷凍しましたが、ざっくりスライスしてから冷凍した方が色素が出やすかったかもしれません
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、布の重さは10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブー〈竹〉など) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
ミョウガは、183g使いましたが、これでは少ないので2倍は用意するといいです
※染める布の重さによってミョウガの量を調節してください
ミョウガを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、ミョウガ(今回は183g) 、
前処理用ボウル×1個、
色素を揉みだす用のボウル×1個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖) 、
食物酢、計量スプーン、水、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、不織布、輪ゴム、ビニール手袋
むむむ?何か視線を感じる・・・・・
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
ミョウガの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
冷凍していたミョウガを耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして電子レンジで約40秒温めましょう
温めることによって細胞が壊れて、より色素が取り出しやすくなります
冷凍のままだと手が冷たくて作業が続けられないので注意してください
時間があるときは自然解凍でも大丈夫です
ミョウガ183gを不織布に入れ、中身が出ないように輪ゴムで縛ります
不織布に入ったミョウガと食物酢250㎖をボウルに入れます
手荒れ防止にビニール手袋をして、不織布の中のミョウガをすり潰すように揉みます
全体をすり潰してミョウガの色素(アントシアニン)が充分抽出できたら、不織布をよく絞って取り除きます
不織布に入れるとザルで濾す必要が無いので楽チンです♪
抽出した色素はツツジの花びら染めの染料のような薄いピンク色!
染める布が少なく布が全体的に浸かるのと、染料がかなり薄く染まらなくなってしまうのが心配なので、水は足さずに染料とします
※花びら染めは、なるべく足す水を少なくした方が染まりやすいです
布を浸けて、時々菜箸で揺り動かしつつ1時間待ちます
この間に媒染液を作りましょう
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
ミョウガ染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
1時間後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染する染め物に関しては、今回は水で洗いましたが染まった色がかなり薄いので、
水で洗わずに媒染液に浸けた方がいいです
花びら染めでは食物酢で色素を出しているので、無媒染でも酸による色止め・発色の効果(媒染の効果)があります
なので、やらなくてもいいのですが慣例通りにクエン酸媒染も行います
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ20分浸けて、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回はミョウガの量が少なく、回数を増やしても濃く染まらなそうだったので1回で終わりにしました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染は、淡いピンク
- アルミ・鉄・アルカリは、ほぼ染まっていない
- 銅は、ほんのり水色がかっている
- 酸は、ほんのりピンクがかっている
前述したように無媒染でも食物酢の酸で色止め・発色効果があります
クエン酸媒染は、
同じ酸なので無媒染と同じ結果になりそうですが、媒染液に浸けるという工程があるためかなり薄くなってしまいます
媒染が終わった後のボウルの中は、
酸は薄いピンク、アルカリは少し黒ずんでいる、他は変化なしでした
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
ミョウガを使った花びら染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ミョウガをきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたミョウガと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中のミョウガをすり潰すように揉んで色素を出す
- ミョウガの入った不織布を取り除いたものを染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
ミョウガの花は白に近い薄い黄色、花穂は赤紫・緑・茶色などがグラデーションになっています
食物酢により揉みだすと薄いピンクの色素(アントシアニン)が抽出されます
ツツジの抽出液に似ていたので、染まり上がりも似たような色になるかと想像していました
ですが、今回は量が少なすぎたのでかなり淡い色になってしまい比較することが出来ませんでした
今度ミョウガが手に入ったら量を増やして再挑戦したいと思います
次回は、笹で草木染めをします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
いちご | 椿 | つつじ |
シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
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草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
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