暖かい季節になると色とりどりの花が咲き始めます
庭や公園を歩いていると自然の優しい色に出会えますよね
そんな花々を見ていると思うことは、
- 花々のように、たくさんの色を出してみたい!
- 花びらのような優しい色で染めてみたい!
実は草木染めは身近に咲いている花でも出来るんです
※この方法を使えば、ヒメヒオウギズイセンだけでなく他のお花を使った花びら染めにも応用可能です
今回は庭に咲いていたヒメヒオウギズイセンで花びら染めをします
ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙、またはヒメヒオオギズイセン)は、アヤメ科ヒオウギズイセン属の雑種で、7~8月に鮮やかなオレンジ色の花が咲きます
この花びらのオレンジ色で染色がしたい!
この記事では、
- 初心者でもわかるヒメヒオウギズイセンを使った花びら染めの方法
- 花びら染めをするときのポイント、コツ
を画像を交えて紹介します
その時々、咲いているお花で草木染めをすると季節を感じることが出来ます
また、火を使わずに出来るのでお子さんとも安心して楽しめるので、自由研究のテーマにもおすすめです
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
ヒメヒオウギズイセン使った花びら染めをするときの8つのポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 花びらは染める布の2~3倍量必要
- 花びらは不織布に入れて、食物酢の中ですりつぶすように揉み色素を出す
- 染色をしているときは、たまに菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
庭のお花がいっぱい咲いてる♪
オレンジのは何だろう?
ヒメヒオウギズイセンって言って山野草なんだよ~
さんやそう?
すごく鮮やかだね!
この花びらで草木染めが出来るよ♪
ヒメヒオウギズイセンを使った草木染めを始めよう!花染めのやり方
2021年7月11日(晴れのち雨)気温29℃ 湿度80%
花びらは雌しべと雄しべを外したものを使います
花びらを1度に集めるのは大変ですが、花びらは冷凍保存が出来るんです
※冷凍保存することによって細胞が壊れて色素が取り出しやすくなります
花を十分楽しんだ後、枯れたり散ってしまった花びらを集めて洗って溜めていきます
花びらは染める布の重さの2~3倍量必要です
染める布はサイズ約11×11cmが6枚と、後日ハンドメイドで使用するパーツ
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
○ | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
今回は綿100%の布を使います
布の重さは全部で12gなので、ヒメヒオウギズイセンの花びらは36g用意しました
今回は媒染液による色の違いを見ていくので、ハンドメイド用パーツの写真は載せません
ヒメヒオウギズイセンを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布(1枚→約1~2g)、豆乳(今回はキッコーマンおいしい無調整豆乳)、
ヒメヒオウギズイセンの花びら、
前処理用ボウル×1個、花びらを揉みだすボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
不織布、輪ゴム×1個、
焼ミョウバン(今回はみたけの焼みょうばん)、鉄媒染液、銅媒染液、クエン酸、重曹、
カンロ杓子×2(鉄・銅媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、食物酢(今回はミツカン酢900㎖)、計量カップ、
菜箸×2膳(今回は割り箸)、クッキングスケール、ビニール手袋
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いを見るため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は今回の染まり上がりを見て、必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよく揉み洗いして絞ります
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう
なぜ豆乳に浸すかというと、次のような理由のためです
染料はタンパク質と反応して色がつきます
今回は綿100%の植物性の布を染めるので、人工的にタンパク質(大豆たんぱく)を付ける必要があるからです
20~30分浸したら固く絞り、平置きでよく乾かします
ヒメヒオウギズイセンの染料に入れ染色する方法
前処理をして乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
不織布に冷凍保存していた花びらを入れ、中身が出ないように輪ゴムで縛ります
ボウルに花びらの入った不織布と食物酢を250㎖入れます
手が荒れないようにビニール手袋をします
食物酢の中で、不織布の中の花びらから色素を出すイメージですり潰すようにしっかり揉んでいきましょう
色素が出なくなったら不織布を取り出します
そこに布が浸かる程度の水を加えて混ぜ、これを染料とします
同じ花びら染めでもツバキの花びらを使った染色では染料の色がピンク色になりましたが、
ヒメヒオウギズイセンでは、オレンジ系のうがい薬のような色合いです
染める布の水気を軽く切って染料に入れ、1時間ほど浸けます
染めムラ防止のため、時々菜箸で揺り動かしましょう
この時間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
【鉄媒染液と銅媒染液の作り方は、こちら↓↓↓】
【草木染め媒染液の種類と必要な量・調整方法♪】初心者でも分かる簡単なやり方!
のように各媒染液を調整します
草木染め:染めた布を水で洗い、各媒染液に浸ける(色止め・発色効果)
1時間後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
花びら染めでは食物酢で色素を出しているので、無媒染でも酸による色止めの効果があります
なので、やらなくてもいいのですが慣例通りにクエン酸媒染も行います
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ10分染色後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染して、水洗い
この工程を気に入った色になるまで繰り返します
染色→媒染を1回行った後の染め上がりは、こんな感じでした
色が薄いので、更に染色していきます
上記1,2の工程を更に3回繰り返し、
合計4回染色・媒染した後の染め上がりは、こんな感じになりました
- 無媒染はコーラルオレンジ
- アルミ媒染(ミョウバン)は無媒染より薄いコーラルオレンジ
- 銅媒染は黄みがかった、かなり薄いペールオレンジ
- 鉄媒染は薄いライトグレー
- 酸媒染(クエン酸)はサーモンピンク
- アルカリ媒染(重曹)は酸よりは薄いサーモンピンク
それぞれパステルカラーで綺麗に染まりました♪
【玉ねぎの皮で草木染め♪】ピンクやオレンジに染めてみよう!初心者でも出来る簡単なやり方!
では、もっと濃いピンクで染まり濃い色の染め分けが出来ました
ヒメヒオウギズイセンはかなり優しい色です
酸媒染のサーモンピンクはハンドメイドしたランチバッグのパーツにも使用しています
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミはピンク、銅とアルカリはイエロー、鉄は変わらず、酸はオレンジでした
ヒメヒオウギズイセンの染液は酸性に傾いていました
リトマス試験紙の青が赤に変わると酸性です
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
花びら染め:ミョウバンでアルミ媒染した時の花の種類による色の違い
綺麗に咲いたお花を使った花びら染めでは、同じ媒染剤でもお花の種類によって違う色に染まります
例えば手に入れやすい媒染剤であるミョウバンを使ってアルミ媒染をするとお花によって色の差が出ます
- ヒメヒオウギズイセンやシランでは、オレンジ系
- ツツジでは、黄色系
- ツバキでは、水色系
まだ少ししか花びら染めできていないので、もっともっとたくさんの種類を染めてみたいという気持ちが湧き上がっています
最後にもう一度
ヒメヒオウギズイセンを使った花びら染めをするときの8つのポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 花びらは染め物の2~3倍量必要
- 花びらは不織布に入れて、酢の中ですりつぶすように揉み色素を出す
- 染色をしているときは、たまに菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
今回は夏に咲いている花ということでヒメヒオウギズイセンで染めてみました
草木染めをするために、お子さんと一緒に季節の花々を探したり、
名前などを調べて学んでいくのも楽しいです
また、どんな色に染まるんだろうと想像を膨らませながら染色するのも面白いと思います
次回は媒染液の種類と調整についてです
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
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草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
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