秋になると美味しい食材が採れるようになり、楽しいイベントも増えます
さつまいも掘り、栗拾い、食材ではありませんが紅葉狩りも楽しいですね
今回は秋の食材の中でも栗の皮を使った草木染めです
YouTubeで栗の皮(殻と渋皮)を使った煮染めを公開中!
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします↓↓↓
ブナ科クリ属の木であるクリ(栗:chestnut)は、日本と朝鮮半島南部原産で日当たりの良い山地などに自生しています
落葉性高木で、9~10月にイガの中から硬い果実が採れ、甘みがあるのでそのまま食べたりスイーツなどに加工するととても美味しいです
樹木は材質が硬いので建築材などとして利用しています
草木染めに利用するのは、果実の硬い皮と渋皮です
- 栗の皮を使った染色ってどうやるの?
- 簡単な方法を知りたい!
- 何色に染まるの?
茹でて皮をむいて美味しくいただいた後、
普段なら捨ててしまうだけの栗の皮ですが、草木染めの材料として利用してみましょう
この記事では、
- 初心者でも分かる栗の皮を使った草木染めのやり方
- 簡単に栗の皮の色素を取り出す方法
を画像を交えて紹介します
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
栗の皮を使った草木染めをするときの17のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 栗は茹でる前に水でサッと洗う
- 栗を鍋に入れ、水1ℓと塩大さじ1/2加え中火にかける
- 沸騰後、弱火で40分茹でる
- 40分後、火を止めてそのまま1時間おいて粗熱を取る
- ザルで濾してゆで汁をとっておく
- 包丁で栗の皮をむく(硬い皮と渋皮)
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 不織布に入れた栗の皮とたっぷりの水をホーロー鍋に入れる
- 沸騰後火を弱め40分煮出す
- 煮出した液に栗のゆで汁を加えたものを染料とする
- 染め物を入れ沸騰しないように火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い20分媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は媒染液をしっかりと洗い落す
栗拾いしてきたよ!
秋はおいしいものがいっぱいで嬉しいね♪
茹でて食べようか!
皮が硬いからむくときは気を付けてね
この皮、ただ捨てるのはもったいないから
草木染めしてみようかな?
栗の皮染めを始めよう
2022年10月29日天気(晴れ) 22℃ 60%
栗拾いの時期を逃して、今年は栗を食べられなそう・・・
と落ち込んでいたら近所のスーパーで半額の栗を見付けました
栗の時期としては遅いけど、なんとか手に入ってよかったです
美味しくいただいた後は、
栗の皮を使った草木染めに挑戦してみようと思います
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
使った栗の皮は30個分です
栗の皮を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、栗の皮(今回は30個分)、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエー焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、タイマー、不織布、不織布を縛る糸
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
栗の皮の染料に染め物を入れ煮染めする方法
染色の前に栗のゆで方も紹介!
栗は茹でる前に流水でサッと洗います
洗った栗を鍋に入れ、水1ℓと塩大さじ1/2を加えて中火にかけます
沸騰後火を弱め40分茹でて、
40分後、火を止め1時間粗熱が取れるまでそのままおきます
1時間後ザルで濾します
※濾したゆで汁は染色に使うので取っておきましょう
茹でた栗は包丁で切れ込みを入れて、手で硬い皮と渋皮をむきます
※皮は硬いので、包丁で切るときは怪我をしないように注意しましょう
いよいよ染色の工程です
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
不織布に入れた栗の皮と水1.5ℓをホーロー鍋に入れ火にかけます
沸騰後、少し火を弱め時々菜箸で揺り動かしつつ40分煮出します
40分後、栗の皮が入った不織布を取り除きます
煮出した液に栗のゆで汁を加えて、よく混ぜたものが染料です
染め物を染料の入ったホーロー鍋に入れて、沸騰しないよう火を弱めて30分煮染めします
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液(色止め・発色の効果)を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
を参照してください
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
栗の皮染めの布を水で洗い、各媒染液に浸ける
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
30分後、染め物を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
水気を切った染め物を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしてください
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染めし、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は1回で綺麗に染まりました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 無媒染は、茶色
- アルミは、薄い茶色
- 銅は、黄色がかった茶色
- 鉄は、こげ茶
- 酸は、ミルクティー色
- アルカリは、赤みがかった茶色
落花生の殻で染色した時には、茶系だけではなく黄色にも染まり全体的に淡い色になりました
栗の皮では落花生よりも濃く染まり、秋らしい茶色に染め分けられます
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミ・酸は変わらず、銅はわずかに茶色がかっている、鉄は黒ずんでいる、アルカリは茶色
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
栗の皮を使った草木染めをするときの17のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 栗は茹でる前に水でサッと洗う
- 栗を鍋に入れ、水1ℓと塩大さじ1/2加え中火にかける
- 沸騰後、弱火で40分茹でる
- 40分後、火を止めてそのまま1時間おいて粗熱を取る
- ザルで濾してゆで汁をとっておく
- 包丁で栗の皮をむく(硬い皮と渋皮)
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 不織布に入れた栗の皮とたっぷりの水をホーロー鍋に入れる
- 沸騰後火を弱め40分煮出す
- 煮出した液に栗のゆで汁を加えたものを染料とする
- 染め物を入れ沸騰しないように火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い20分媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は媒染液をしっかりと洗い落す
栗は9~10月の間の短い期間にスーパーなどで見かけ、栗拾いもとても短い期間で終わってしまいます
ですが、秋を感じる食材なのでぜひ手に入れて
食べるのはもちろん、染色に挑戦してみるのはいかがでしょうか?
どの媒染でも優しい自然の色合いのブラウン系に染まる草木染めらしい色を楽しめる材料です
次回は、柿を使った染色です
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
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