山登りやハイキングで自然の中を歩いていると、すがすがしくて心が癒されますよね
木々が生い茂っているとパワーをもらえるような気がします
そんな植物の葉や花を使って、今まで色々な草木染めをしてきました
葉や花だけでなく、草木染めは木材を使っても出来るんです
木材を使った草木染めって、どうやるの?
以前はスモーキングチップの桜チップを使って染色をしました
今回はキハダという木のカンナの削りカスで染めます
《キハダとは》
- ミカン科キハダ属の落葉高木
- 樹皮の表皮と木質部の間が黄色であることが名前の由来
- 別名、シコロ、シコロベ、オウバク(黄檗、黄柏)など
- 生薬として使われ、薬用の他に染料としても利用される
- 木目が綺麗に出るため家具の材料としても使われる
※今回は黄色の樹皮ではなく、木質部のカンナの削りカスで染めます
この記事では、
- 初心者でも分かるキハダを使った草木染めの簡単なやり方
- 木材を煮染めする方法
を画像を交えて紹介します
キハダは手に入れることは難しいですが、今回たまたま譲り受けることが出来ました
みなさんも手に入れることがあれば挑戦してみてください
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
キハダのカンナ削りカスを使った草木染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- キハダを鍋に入れ、たっぷりの水を入れ火にかける
- 沸騰後火を弱めキハダを30分煮出し、火を止め30分おく
- 再び火をつけ、沸騰後火を弱め30分煮出し、火を止め30分おく
- ザルで濾したものを染料とする
- 煮染めは20分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 20分後、火を消しそのまま40分おく
- 再度、火をつけ20分煮染め40分おく
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
葉っぱとか花びらを使って草木染めをすると、
いろんな色に染まって面白いね
一つの材料でも媒染液で鮮やかに染め分けられるよね
木でも染められるのかな?
試してみよう!!
キハダで草木染めを始めよう
2021年10月4日天気(晴れ) 28℃ 60%
キハダのカンナ削りカスを譲り受けたので染色してみます
キハダは嗅いだことのある木の香りではなく、結構独特の香りがして不思議です
今回は削りカス20gを使います
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは9gです
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
キハダのカンナ削りカスを使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、キハダ削りカス20g、
ザルで濾した染料を受ける容器×1個、ザル×1個、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹(マルフクケミファ(株))、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、キッチンスケール
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料はタンパク質が無いと染まりにくいです
植物性の染め物(木綿など)は、タンパク質が無いので豆乳などで人工的にタンパク質をつけてから染色作業に入ります
※動物性の染め物(ウール、シルクなど)は、初めから動物性たんぱく質があるので濃染処理の必要はありません
20~30分浸したら水洗いをせずそのまま固く絞り、シワをしっかり伸ばして平置きでよく乾かしましょう
キハダの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
キハダの削りカスをホーロー鍋に入れます
ホーロー鍋にたっぷりの水(2.0ℓ)を入れ火にかけます
沸騰したら火を弱めて、沸騰しないように火加減(70~80℃)
時々菜箸で揺り動かしつつ30分煮出します
30分後、火を止めて時々菜箸で揺り動かしつつそのまま30分おきます(2回繰り返す)
ザルで濾して削りカスを取り除きましょう
削りカスを取り除いて、再びホーロー鍋に戻したものを染料とします
染料を火にかけ染める布を入れて、沸騰しないように火加減をします(70~80℃)
染めムラ防止のため、時々菜箸で揺り動かしながら20分煮染め後、
火を止めてそのまま40分おきます(2回繰り返す)
時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
キハダ染めの布を水で洗い、各媒染液に浸ける
40分おいたら布を取り出します
布を染料のカスが残らないように、しっかり水で洗いましょう
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切ります
使用する菜箸は鉄媒染だけ別にし、分かるようにテープなどで印を付けます
更に鉄媒染液だけ離して置いてください
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め後→水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染→水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回染色・媒染は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かし、アイロンをかけます
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画像では分かりにくいかもしれませんが、
- 無媒染・銅・鉄は、優しい茶色
- 酸(クエン酸)は、ベージュ色
- アルミ(ミョウバン)・アルカリ(重曹)は、少し赤みのある茶色
媒染が終わった後のボウルの中は、全て変化なしでした
キハダ削りカスの染液は中性でした
リトマス試験紙の青も赤も色の変化なし
色の染まり上がりを見ると少し薄いような気がしたので、出来ればキハダの削りカスは倍量でやることをオススメします
なかなか手に入れられないですが・・・・・
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度、
キハダのカンナ削りカスを使った草木染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- キハダを鍋に入れ、たっぷりの水を入れ火にかける
- 沸騰後火を弱めキハダを30分煮出し、火を止め30分おく
- 再び火をつけ、沸騰後火を弱め30分煮出し、火を止め30分おく
- ザルで濾したものを染料とする
- 煮染めは20分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 20分後、火を消しそのまま40分おく
- 再度、火をつけ20分煮染め40分おく
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
今回はたまたまキハダの削りカスを譲り受けたので染色をすることが出来ました
キハダの樹皮は黄色い色素があり、また違う染まり方になると思われます
もし手に入れることが出来れば、そちらも挑戦してみたいです
次回は、ハヤトウリで染色します
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
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