スーパーでカブを見かけると、どんな料理に使おうか悩みつつ
沢山あるときは一部漬物にしますが、いつも豚肉との炒め物にしていただいています
料理には少し茎も使いますが、我が家では大半の茎や葉はそのまま捨てていました
今回は、この今まで捨てていたカブの茎や葉を溜めて2種類の色素を使って草木染めをします
- カブの葉を使った草木染めってどうやるの?
- 2種類の色素ってどう抽出するの?
アブラナ科アブラナ属の越年草であるカブ(蕪[かぶ]:turnip)は春と秋に栽培され、カブラ・スズナ・カブナなどと呼ばれることもあります
春の七草のスズナ(菘、鈴菜)です
根よりも葉の方が栄養価が高いですがスーパーなどで見かけるのはほとんど葉が切られています
道の駅や野菜を販売している小屋では葉が付いているものがあるので、
その葉や茎を使って黄色い色素のフラボノイドと、緑の色素のクロロフィルの2種類を抽出して布を煮染めします
この記事では、
- 初心者でも分かるカブの葉を使った草木染めの簡単なやり方
- かぶの葉から2種類の色素を抽出する方法
を画像を交えて紹介します
道の駅などで葉が付いたカブを見かけた際には、是非挑戦してみてください!
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
かぶの葉を使った草木染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- かぶはフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- かぶの1番抽出液(フラボノイド)は、ザックリ刻んだカブをたっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは煮出した液に重曹を小さじ1を加え、沸騰後火を弱め30分煮染めする
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水と重曹小さじ2を加え煮出す
- 煮染めはフラボノイド同様、沸騰後火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後、水洗せずに媒染液に入れる
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 最後の媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
大きなカブが売ってるよ♪
ホントだ!綺麗な緑の葉っぱまでついてる!
新鮮でおいしそう
漬物に…お吸い物に…煮物に…ジュルル~
葉っぱは草木染めに使ってみよう
かぶの葉で草木染めを始めよう
2024年6月7日天気(くもり) 23℃ 65%
数年前から料理のたびに溜め続けていたカブの葉と茎を使って草木染めをします
冷凍をしておけば長く保存できるので便利です
今回使うカブの葉と茎は全部で366g
染める布は綿100%、サイズ約11×11㎝を6枚(重さ9g)、
2色素分(フラボノイド、クロロフィル)用意します
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブー〈竹〉など) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
カブの葉を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、かぶ(今回は366g)、
前処理用ボウル×1個、
ザル×1個、濾した液を受けるボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、ハサミ
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
今回は媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
あなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
※精錬には染め物を鍋に入れて煮る方法もあります
染料が入りやすくするためボウルに豆乳:水=1:1の液を入れてよく混ぜ、布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
濃染処理とはその名の通り染め物を染まるようにする、または濃く染めるための工程です
染料は染め物のタンパク質と反応して色がつきます
今回の染め物は、綿100%の植物性なのでタンパク質が付いていません
そのため人工的にタンパク質を付ける必要があります
タンパク質を付けるには牛乳でもいいのですが臭いの関係上、豆乳がオススメです!
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので前処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをよく伸ばして平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
カブの葉と茎の色素を抽出し、煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
かぶの葉と茎のフラボノイド抽出と染色
かぶの葉と茎をハサミでザックリ切りましょう
切ったカブと水1.5ℓをホーロー鍋に入れ、火にかけます
沸騰後、火を弱め50分煮出します
時々菜箸でカブの葉をかき混ぜ、色素がよく出るようにしましょう
50分後、火を止めてザルで濾します
※ザルで濾した出し殻は、クロロフィルの染色で使うので捨てずに取っておいてください
ザルで濾した液体が1番抽出液(黄色い色素のフラボノイド)です
フラボノイドは色が薄いので、1番抽出液に重曹小さじ1を加えて色を濃くしましょう
これを染料とします
染め物を鍋に入れて火にかけ、沸騰しないように火加減をして30分煮染めします
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
30分後、火を止めて30分そのまま浸けておきます
この間に媒染液を作ってください
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液の作り方】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来るやり方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
かぶ染めした染め物を水で洗い、各媒染液に浸ける
鉄媒染液は他の媒染に影響を与えてしまうので、
使用する菜箸は鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
30分後、無媒染は染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
染まる色が薄いため媒染をする布は染料から取り出して水洗いをせず、そのまま媒染液に20~30分浸けてください
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ10分煮染め
- 水洗いせず、媒染液に10分入れて水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回はもう一度染色→媒染をしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 無媒染・鉄・アルカリは、少し黄色がかっているがほぼ染まっていない
- アルミは、かなり薄い黄色
- 銅・酸は、染まっていない
各媒染液の色は、
アルミ・アルカリは明るい黄色、銅・鉄・酸は変わらず
かぶの葉と茎のクロロフィル抽出と染色
先程フラボノイドを抽出した出し殻のカブのはと水1.5ℓをホーロー鍋に入れます
更に重曹小さじ2を加えよく混ぜて、火にかけます
沸騰後、火を弱め30分煮出します
時々菜箸でカブの葉をかき混ぜ、色素がよく出るようにしましょう
30分後、火を止めてザルで濾します
ザルで濾した液体が2番抽出液(緑の色素のクロロフィル)で、これが染料です
染め物を鍋に入れて火にかけ、沸騰しないように火加減をして30分煮染めします
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ってください
30分後、無媒染はここで完了なのでしっかり水で洗ってください
こちらも染まった色が薄いので、染色後水洗いせずにそのまま媒染液に20~30分浸けます
各媒染液に浸けている間、時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
今回はクロロフィルでは良い染色結果が得られる銅媒染もかなり色が薄かったので、
銅媒染のみ再び染料に2時間浸けてから水洗いをして染色を終わりました
※他の媒染はほぼ染まっていません
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
草木染めキット販売中↓↓↓\無くなり次第終了/
- 無媒染・鉄・酸・アルカリは、染まっていない
- アルミは、少し黄色がかっているが、ほぼ染まっていない
- 銅は、かなり薄い黄緑
各媒染液の色は全てほぼ変化なし
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単・手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧を参照してください
最後にもう一度、
かぶの葉を使った草木染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- かぶはフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- かぶの1番抽出液(フラボノイド)は、ザックリ刻んだカブをたっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは煮出した液に重曹を小さじ1を加え、沸騰後火を弱め30分煮染めする
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水と重曹小さじ2を加え煮出す
- 煮染めはフラボノイド同様、沸騰後火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 染色後、水洗せずに媒染液に入れる
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 最後の媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
今回は、長期間かかって溜めたカブの葉と茎を使って草木染めをしました
2色素(フラボノイド、クロロフィル)ともかなり淡い色に染まったという結果になりました
理由としては、
スーパーで購入するカブは、ほとんどが葉の上部が切られていて集めたものが茎の部分が多かったためだと思われます
仕方なかったとはいえ残念な結果です
これを踏まえて、
あなたが染色するときは、やはり色素成分が多く含まれた緑色が濃い葉を集めることをオススメします
緑に染まった材料として、
ニンジンの葉・柚子の葉・青じそ・ネギ・春菊・よもぎ・ウドはクロロフィルによって
それぞれ草木染めらしい優しい緑に染まっていますよ☆
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
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