自家栽培のウコンがたくさん採れたので、来年用に種芋にするもの以外を乾燥させて粉砕し保存することにしました
今回はそのパウダー状になったウコンを使って染色していきます
春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの3種類の染め比べです
YouTubeで自家栽培した秋ウコンを使った煮染めを公開中!
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします♪↓↓↓
ウコン染め(ターメリック、秋ウコン)には古くから、防虫・防腐・殺菌効果があると言われています
着物を濃い黄色~オレンジ色をしたウコン染めの布(四ッ手文庫:よつでぶんこ)に包んで桐箪笥(きりたんす)に保管したり、
箪笥の引き出しに漢方敷(かんぽうじき)というウコンを使った紙を敷いたり、
着物はウコン染めの風呂敷を使って持ち運んだりしていました
さて、春ウコンや紫ウコンではどんな色になるのでしょう?
- 自家栽培ウコンを使った染色ってどうやるの?
- 春ウコン・秋ウコン・紫ウコンで色に差は出るの?
実はきっちり色の差が出るんです
春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの違い
春ウコン (姜黄:キョウオウ) | レモンイエローのような薄い黄色 爽やかな香り 黄色の色素のクルクミンを少量含む 春にピンク色の花が咲く |
秋ウコン (鬱金:ウコン) | 山吹色~オレンジのような濃い色 黄色の色素のクルクミンを多く含む お酒を飲む前に飲んだり、カレーのスパイスのターメリックとして使われる 初秋に白い花を咲かせる |
紫ウコン (莪朮:ガジュツ) | 白っぽい色で青~紫色の環状の模様がある アントシアニンという色素を含む 春ウコンや秋ウコンのように黄色い色素のクルクミンを含まない 春にうっすら紫色の花が咲く |
この記事では、
- 初心者でも分かるう自家栽培ウコンを使った草木染めの方法
- きれいに染める簡単なやり方、コツ
- 春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの染め比べ
を画像を交えて紹介します
秋ウコンを粉砕したものはターメリックなので香辛料や調味料として市販されていますが、
春ウコンと紫ウコンは中々手に入れることが出来ません
後述しますが、紫ウコンは染まらないので、
もし春ウコンを手に入れられることがあれば、ぜひ挑戦してみてください!
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
自家栽培ウコンを使った草木染めをするときの13のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 収穫したウコンを粉砕してパウダーにする
- 粉にしたウコンとたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰しないように火加減をして15分煮出す
- 染める布を入れ沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後そのまま20分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
- 秋ウコンは黄色い色素のクルクミンの含有量が多いので濃く染まる
- 春ウコンはクルクミンの含有量が少ないので薄く染まる
- 紫ウコンはクルクミンが含まれていないので染まらない
前にやったターメリックってきれいに染まったよね
収穫したウコンでも染められるのかなぁ
染められるみたいだけど、パウダーにした方がよく染まるみたいだよ
どうやってパウダーにすればいいのかな?
ウコンをスライスして乾燥させてから、ミルサーで粉砕するといいみたい!
自家栽培したウコンで草木染めを始めよう
2021年12月11日天気(晴れ) 23℃ 35%
たくさん採れた自家栽培のウコンを保存しやすいように粉にしました
折角なのでそのウコンパウダーで染色したいと思います
春ウコン・秋ウコン・紫ウコンでどんな染まり方になるんでしょうか?
ウコンの粉砕方法
収穫したウコンを水でよく洗い皮をむいたら、スライスしてよく乾燥させます
持っていなかったので、ウコンを粉にするためにミルサーを購入しました
乾燥させたウコンをミルサーの容器に入れて、刃が付いたネジ式の蓋をしっかり閉めます
本体にセットして約40秒!!
あっという間にきれいな粉に出来ました
今回使用したミルサーは
『Iwatani クラッシュミルサーIFM-C20G』
使用後、本体が汚れてしまった場合は固く絞った濡れフキンで拭き取ります
容器と刃が付いた蓋は水と中性洗剤を入れてミルサーした後、水洗いをしてよく乾燥させてからしまいます
刃を外して洗わなくてもいいので安全でお手入れも簡単です♪
この出来たウコンパウダーで染色していきます
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で11gを3種類分用意します
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
粉にした春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの量はともに大さじ2
画像左は春ウコン、中央は秋ウコン、右は紫ウコン
自家栽培ウコンを使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、
ウコンパウダー(春ウコン・秋ウコン・紫ウコン各大さじ2)、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹(マルフクケミファ(株))、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、ミルサー
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料はタンパク質が無いと染まりにくいです
植物性の染め物(木綿など)は、タンパク質が無いので豆乳などで人工的にタンパク質をつけてから染色作業に入ります
※動物性の染め物(ウール、シルクなど)は、初めから動物性たんぱく質があるので濃染処理の必要はありません
20~30分浸したら水洗いをせずそのまま固く絞り、シワをしっかり伸ばし平置きでよく乾かしましょう
自家栽培ウコンの染料に入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
春ウコンで染色
粉にした春ウコン大さじ2と水1.5ℓをホーロー鍋に入れて15分火にかけます
沸騰するとあふれ出るので、沸騰しないよう火加減に注意してください
染める布を入れて沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後、そのまま20分置きます
染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしましょう
うっかり沸騰させてしまって、あふれ出たので鍋が汚れてしまいました(+_+)↓
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
春ウコン染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
20分後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にします
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返すという作業をします
今回は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
草木染めキットのレビュー↓
>【自由研究テーマにおすすめ!】簡単にウコンで布を染められる楽しい草木染めキットを体験レビュー
- 無媒染・アルミ(ミョウバン)・鉄・酸(クエン酸)は、レモンイエロー
- 銅・アルカリ(重曹)は、若干くすんだレモンイエロー
酸媒染を使って巾着をハンドメイドしました
布の黄色の部分が春ウコン染めです
パーツにはイチゴ花びら染め無媒染、ブルーベリークエン酸入り煮染め無媒染、ヒメヒオウギズイセン花びら染めクエン酸媒染、ナスの花びら染めアルミ媒染、ネギのクロロフィル・エタノール抽出銅媒染を使って染色しています
草木染め・野菜染め・果物染めの優しくてあったかい色が特徴の作品です
minneにて出品していますので良かったら覗いてみてください(*’ω’*)
各媒染液は、ほぼ色がついていません
秋ウコンで染色
春ウコン同様、染料を作ります
粉の段階で春ウコンよりも黄色が濃いです
春ウコン同様に染めていきます
媒染液は新しく作り直し、染色後春ウコン同様に媒染します
20~30分経ったら取り出して水でよく洗い、日陰でよく乾かしてアイロンを掛けます
- 無媒染・酸(クエン酸)は、濃い鮮やかな黄色
- アルミ(ミョウバン)・アルカリ(重曹)は、山吹色
- 銅は、黄土色
- 鉄は、マスタード
ニンジンの葉やクチナシでの染色も黄色に染まりましたが、秋ウコンは更に鮮やかに染まります
各媒染液は、アルミは薄い黄色、アルカリは薄い茶色、他はほぼ色がついていません
秋ウコンを使ったゴールデンラテのレシピはこちら↓↓↓
紫ウコンで染色
春ウコン同様、染料を作ります
紫ウコン自体はクルクミンという黄色の色素が含まれないので、粉も白っぽいです
春ウコン同様に染めていきます
再度、媒染液を新しく作り直し、染色後春ウコン同様に媒染します
20~30分経ったら取り出して水でよく洗い、日陰でよく乾かしてアイロンを掛けます
- 全てまったく染まりませんでした
各媒染液は、まったく色がついていません
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
自家栽培ウコンを使った草木染めをするときの13のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 収穫したウコンを粉砕してパウダーにする
- 粉にしたウコンとたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰しないように火加減をして15分煮出す
- 染める布を入れ沸騰しないように火加減をして30分煮染めした後そのまま20分おく
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
- 秋ウコンは黄色い色素のクルクミンの含有量が多いので濃く染まる
- 春ウコンはクルクミンの含有量が少ないので薄く染まる
- 紫ウコンはクルクミンが含まれていないので染まらない
秋ウコンは黄色い色素のクルクミンの含有量が多いので濃い黄色系に染色できました
春ウコンはクルクミンの含有量が少ないので、薄い色になりました
春ウコンパウダーの量を増やすと秋ウコンと同じように染まるのか、今後試してみたいと思います
紫ウコンはクルクミンが含まれておらず、アントシアニンという酸性では赤色、アルカリ性では青色になる色素が含まれています
ですが、含有量が少ないため染まりませんでした
アントシアニンが多く含まれているウコンは黒ウコンです
黒ウコンでも染色しています
【その他の野菜染め】
次回は、柚子の葉で草木染めをします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
いちご | 椿 | つつじ |
シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
サザンカ |
草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
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