3月になって暖かくなってくると庭のボケ(木瓜)の花が満開になります
ボケの花の色は、たま~に薄いピンクのものもありますが
赤でもピンクでもなく朱色っぽい独特の色合いです
蕾を見ると可愛らしいイチゴのよう♪
だんだんとお花が散り始めてきたので、今回はこの散ったボケの花びらを使って染色をします
YouTubeでボケの花を使った花びら染めを公開中!
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします↓↓↓
花びらを使った染色は、
・椿
・ツツジ
・シランと我が家に咲いているお花でやってきました
それぞれ個性的な色で染まりました
ボケはどんな色に染まるのか楽しみです
- ボケの花びらを使った草木染めってどうやるの?
- 綺麗に染める簡単なやり方が知りたい!
バラ科ボケ属のボケ(木瓜;Mokko)は、中国原産の落葉低木です
春(3~5月)になると赤、白、ピンクの花が咲き、
秋になると黄緑色の小さいリンゴのような実をつけます
この実は、漢方として使われたり、食用や果実酒にすることもあるようです
今回は実ではなく花びらを使うので、散った花びらを地道に拾い集めて洗って冷凍保存していきます
※冷凍することによって細胞が壊れて、色素が取り出しやすくなります
この記事では、
- 初心者でも分かるボケを使った花びら染めの簡単なやり方
- 媒染液を使った色止め、染め分けの方法
- 染まった布の色、他の花びら染めとの比較
を画像を交えて紹介します
花びら染めは火を使わないのでお子さんと楽しんだり、自由研究のテーマにもおすすめです
冷凍保存をしておけばいつでも染色を楽しめます
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
ボケを使った花びら染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ボケの花びらをきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたボケの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中のボケの花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- ボケの花びらの入った不織布を取り除いたものを染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
暖かくなってきたし散歩がてら桜を見に行こうよ
いいね~この時期ならではだよね♪
庭のボケも咲いてきたよ
ホントだ!ボケのお花も優しい赤色で可愛いね
ね♪この花びらで染色してみたいな
ボケで花びら染めを始めよう
2023年4月4日天気(晴れ) 16℃ 50%
ボケの花が散ったら花びらを拾って洗って冷凍・・・
という作業を繰り返して地道に花びらを溜めてきました
ある程度溜まってきたので、いよいよ染色します
今回使用するボケの花びらは41g
冷凍した花びらを乗せていたキッチンペーパーに色が付いています
この朱色のような赤色が本来のボケの花びらの色ですが、
このまま使うと安定性が低いので、安定性と発色が良くなる酢を使って色素を取り出す『花びら染め』という方法を使います
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、布の重さは10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブー〈竹〉など) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
ボケを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、ボケの花びら(今回は41g)、
前処理用ボウル×1個、
色素を揉みだす用のボウル×1個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
食物酢、計量スプーン、水、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、不織布、輪ゴム、ビニール手袋
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつける必要があります
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水で洗わないでください
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
ボケの花びらの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
冷凍していた花びらを耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして電子レンジで約40秒温めます
温めることによって細胞が壊れて、より色素が取り出しやすくなります
今回は暖かいから大丈夫だろうとそのまま作業を始めてしまい手が冷たくて冷たくて失敗したな~と思いました・・・
時間があるときは自然解凍でも大丈夫です
ボケの花びら41gを不織布に入れ、中身が出ないように輪ゴムで縛ります
不織布に入ったボケの花びらと食物酢250㎖をボウルに入れます
手荒れ防止にビニール手袋をして、不織布の中のボケの花びらをすり潰すように揉みます
※最低10分はすり潰しましょう
全体をすり潰してボケの花びらの色素(アントシアニン)が充分抽出できたら、不織布をよく絞って取り除いてください
不織布に入れるとザルで濾す必要が無いので楽チンです♪
抽出した色素はヒメヒオウギズイセン、椿、ツツジの染料よりも赤っぽく、シランの染料に近いような色合いです
抽出した色素に染め物が浸かる程度の水(今回は100㎖)を加えてよく混ぜたものを染料とします
※花びら染めは、なるべく足す水を少なくした方が染まりやすいです
布を浸けて、時々菜箸で揺り動かしつつ1時間待ちます
この間に媒染液を作りましょう
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
ボケ染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
1時間後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
花びら染めでは食物酢で色素を出しているので、無媒染でも酸による色止め・発色の効果(媒染の効果)があります
なので、やらなくてもいいのですが慣例通りにクエン酸媒染も行います
媒染に使用する菜箸は、
他の媒染に影響するため鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ20分浸けて、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染は、ピンク
- アルミは、かなり薄い青紫色
- 銅は、少しくすんだ水色
- 鉄は、藤色
- 酸は、薄いピンク
- アルカリは、ほぼ染まっていない
前述したように無媒染でも食物酢の酸で色止め・発色効果があります
クエン酸は、
同じ酸媒染なので無媒染と同じ結果になりそうですが、媒染液に浸けるという工程があるため薄くなります
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミは鮮やかな紫、銅はかなり薄い紺、鉄は暗い紫、酸はピンク、アルカリは黒ずんだピンク
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度、
ボケを使った花びら染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ボケの花びらをきれいに洗って冷凍保存する
- 使用するときは、電子レンジで温めるか自然解凍すると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたボケの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中のボケの花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- ボケの花びらの入った不織布を取り除いたものを染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
ボケの花は、赤・白・ピンク・白に赤が入ったものと様々あります
我が家のボケは赤い花だったので鮮やかな色に染め分けられました
他の色の花びらを使うと違う色合いに染まると思うので、
これもまた草木染めの楽しいところだと思います
また染料はシランの色に似ていましたが染めてみると、シランの方が淡く色味が違うという結果となりました
次回は、イタドリで染色します
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
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