最近、色々な珈琲ショップが出来たりコンビニでも安くておいしいものを提供していたり、コーヒーを飲む機会が多くなっています
おうち時間で自宅で豆を挽いて飲むことも増えているのではないでしょうか?
そうすると毎日のように出るのがコーヒーかす(出し殻)
そこで今回は捨ててしまう『かす』を利用して草木染めをします
YouTubeでコーヒー豆を使った草木染めを公開中!
こちらはショート動画ですがフルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします♪↓↓↓
コーヒーの出し殻で草木染めをしようと思ったきっかけは、次のようなことを考えていたからです
- 毎回出るコーヒー豆の出し殻を利用できないか?
- コーヒー豆で草木染めが出来るのか?
- 草木染め出来たとすると何色に染まるのか?
コーヒー豆(珈琲豆)とは、コーヒーノキの種子でコーヒーチェリーのことをさします
私たちが飲んでいるコーヒーは加熱加工した焙煎豆を粉砕して熱湯や水で抽出したものです
加熱加工していない生のものは生豆といいます
この記事では、
- 初心者でもわかるコーヒー豆を使った草木染めの方法
- 綺麗に染めるポイント、コツ
- コーヒー色に染まるのか?
- 媒染液によって違いが出るのか?
を画像を交えて紹介します
1度コーヒーを飲んで、出し殻になった豆でも染まるんです
ただ捨ててしまうのではなく染色に使えるなんて、とってもエコですよね!
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
コーヒーを使った草木染めをするときの10のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- コーヒー豆は染め物の同量~倍量必要
- コーヒー豆をたっぷりの水で20分煮出したものを1番抽出液の染料とする
- コーヒー豆の出し殻をたっぷりの水で20分煮出したものを2番抽出液の染料とする
- 染色しているときは沸騰しないように火加減する
- 煮染めしているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
コーヒーを豆から入れるといい香り~
なんだか癒されるよね♪
草木染めをしてても、いい香りがするよ
コーヒーでも染められるの?
コーヒーはタンニンがあるから染まりやすいよ!
コーヒーを使った草木染めを始めよう
2021年7月16日 天気(雨)気温27℃ 湿度90%
今回は新しい豆と出し殻の2種類の染液を使います
コーヒー豆は染め物の同量~倍量必要です
布をどのくらいの濃さに染めたいかで量を調整しましょう
今回の染色では倍量使います
布の重さは全部で12gなので、コーヒー豆は24g必要です
染める布は綿100%で、
サイズ約11×11cmが6枚と、後日ハンドメイドで使用するパーツです
今回は媒染液による色の違いを見ていくので、ハンドメイド用パーツの画像は載せません
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
○ | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
コーヒーを使った煮染めの材料・道具
綿100%の布(1枚で約1~2g)、豆乳(今回はキッコーマンおいしい無調整豆乳)、
コーヒー豆(挽いてあるもの)、不織布、不織布を縛る糸、
前処理用ボウル×1個、媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はみたけの焼みょうばん)、鉄媒染原液、銅媒染原液、クエン酸、重曹、
カンロ杓子×2個(鉄・銅媒染原液をすくう用のかき氷シロップをかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、カセットコンロ、目盛付きのコップ、
菜箸×2膳(今回は割り箸)、クッキングスケール、温度計
媒染液の違いを見るため、色んな媒染液やそれと同じ数の道具を用意しました
実際にあなたが染めるときは、今回の染め上がりの色を見て必要なものを用意してください
媒染液用ボウルも媒染の数だけ用意します
染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよく揉み洗いして絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
なぜ豆乳に浸すかというと、次のような理由のためです
染料はタンパク質と反応して色がつきます
今回は綿100%の植物性の布を染めるので、人工的にタンパク質(大豆たんぱく)を付ける必要があるからです
20~30分浸したら固く絞り、よく乾かしましょう
後述していますが、乾かすときは吊るして干すのではなく平置きすると染めムラ防止になります
コーヒーの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
不織布にコーヒー豆を入れ、中身が出ないように糸で縛ります
コーヒー豆をホーロー鍋に入れ、2ℓの水を加えて火にかけます
沸騰したら少し火を弱めて鍋の蓋を少し開けて、約20分煮ます
20分後、火を止めるとかなり濃いコーヒーが出来ました
これを1番抽出液の染液とします
先ほど使ったコーヒー豆を鍋に入れ、再び2ℓの水を加えて火にかけます
沸騰したら少し火を弱めて鍋の蓋を少し開けて、約20分煮ます
20分後、火を止めると先程より少し薄いコーヒーが出来ました
これを2番抽出液の染液とします
コーヒー染め:1番抽出液で染色する
1番抽出液の染液を火にかけ、染める布を入れます
沸騰しないように火加減をします(70~80℃)
染めムラ防止のために、たまに菜箸で揺り動かしながら約30分煮ます
この間に媒染液を作ります
媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染原液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
コーヒー染めをした布を水で洗い各媒染液に浸ける
30分おいたら布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にします
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ10分染色後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染して、水洗い
この工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は2回染色、媒染を繰り返しました
日陰でよく乾かし、アイロンをかけます
今回の染め上がりは凄くムラになってしまいました
縦や横に濃く染まった線、布の端が濃かったり薄かったり、シワのところが白抜けしていました
自分なりに原因を考えて、
これは前処理のときに吊るして干したことによる豆乳の分布の変化ではないかと思いました
なので、
もう一度、前処理後に平置きで乾燥して染色し直してみました
各画像、右が吊るし干し、左が平置き干しです
\草木染め体験キット/\数量限定/
比べてみると、草木染めによる自然なムラはあるものの、
平置きした方がかなり均一に染まっているのが分かります
この結果から、
前処理後の乾燥は、平置きすることをオススメします
- 銅・酸(クエン酸)・アルカリ(重曹)で少し薄く染まり、ラテ色
- 無媒染・アルミ(ミョウバン)は少し濃く染まり、モカ色
- 鉄は少しくすんだベージュでノスタルジックな色
鉄媒染を使ってマスクケースをハンドメイドしました
布の茶色の部分はコーヒー染めです
パーツにはブドウの銅媒染、桜チップの鉄媒染、ハヤトウリの銅媒染、ブドウの酸媒染、ナスの皮花びら染めアルミ媒染、アボカドの酸媒染、を使って染色しています
草木染め・野菜染めの優しくてあったかい色が特徴の作品です
Creemaにて販売していますので良かったら覗いてみてください(*’ω’*)
銅媒染はハンドメイドしたランチバッグのパーツにも使用しています
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルカリ媒染のみ、媒染液に色がついていました
これは色落ちもあると思いますが紅茶と同じ理由も考えられます
紅茶は酸性に傾いていて、レモンなど酸性のものを入れると色が薄くなり、
逆に重曹などアルカリ性のものを入れると紅茶の色が濃くなります
リトマス試験紙を見てみるとコーヒーも酸性に傾いています
※リトマス試験紙で青が赤に変わると酸性です
なので、重曹を使ったアルカリ媒染ではコーヒーの色素成分が媒染液によって濃くなったとも考えられます
コーヒー染め:2番抽出液で染色する
2番抽出液の染液を火にかけ、染める布を入れます
沸騰しないように火加減をします(70~80℃)
染めムラ防止のために、たまに菜箸で揺り動かしながら約30分煮ます
この間に先程と同じように媒染液を作りましょう
30分煮たら布に染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切った布を時々菜箸で優しく揺り動かしながら各媒染液に20~30分浸けます
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別で作業してください
先程と同じように、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返します
2番抽出液は1回ずつにしました
日陰でよく乾かし、アイロンをかけます
- 鉄のみ多少くすんでいるものの、同じようなミルクたっぷりロイヤルミルクティー色
優しい色に染まりました
コーヒーなのにミルクティーって表現が不思議ですが…(*^-^;)
媒染が終わった後のボウルの中は、
ほとんど色の変化は見られませんでした
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
コーヒーを使った草木染めをするときの10のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- コーヒー豆は染め物の同量~倍量必要
- コーヒー豆をたっぷりの水で20分煮出したものを1番抽出液の染料とする
- コーヒー豆の出し殻をたっぷりの水で20分煮出したものを2番抽出液の染料とする
- 染色しているときは沸騰しないように火加減する
- 煮染めしているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
今回、染め上がりの濃い染色をしたことによって、染めムラが出てしまいました
ですが、それによって染めムラを少しでも軽減できる対策が分かりました
次回からしっかり活かせそうです(゚∀゚)v
次回は玉ねぎの皮で染色していきます
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
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草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
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