スーパーなどでよく見かける身近な野菜の小松菜
比較的価格も安定しているので、我が家でも食卓によく出る食材です
シャキシャキとした食感がたまりません
小松菜(コマツナ)は、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜で栄養価が高いです
関東での生産量が多く、旬は冬ですがほぼ1年中スーパーなどに流通しています
今回はそんな小松菜を使った草木染めです
- 小松菜の草木染めってどうやるの?
小松菜を使った染色は、
黄色い色素のフラボノイドと、緑の色素のクロロフィルの2種類が抽出できます
この記事では、
- 初心者でも分かる小松菜を使った草木染めの簡単な方法
- 小松菜から2種類の色素を抽出するやり方
を画像を交えて紹介します
毎日のお料理の際に傷んでいるところや捨ててしまうところをコツコツと溜めていき、染める日まで冷凍保存しておきました
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
小松菜を使った草木染めをするときの11のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 小松菜はフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- 小松菜の1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは沸騰しないよう火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま20分置く
- 2番抽出液(クロロフィル)は、出し殻と水を鍋に入れ、重曹を加えて煮出す
- クロロフィルの煮染めは沸騰しないよう火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま20分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
小松菜が安かったから買ってきたよ~
じゃあ、今日は小松菜の炒め物にしようかな
わ~い!!また食べすぎちゃうかも
食感がおいしいもんね
小松菜で草木染めを始めよう
2024年1月12日天気(晴れ) 12℃ 40%
我が家ではよく使う食材の小松菜
毎日のお料理の際に溜めて冷凍保存していたものを使って遂に染色をします
小松菜は傷んでいるものが少なく溜めるのにかなり時間を使いました
やっと溜めた小松菜は約300g(←もっと量を増やした方がいいです)
※実は今回、木綿を上手く染めることが出来なかったのでウールでも染色しています
小松菜からは『黄色い色素のフラボノイド』と『緑の色素のクロロフィル』の2種類が抽出できるので、
2種類の染料で染めます
染める布は綿100%、サイズは約11×11cmが6枚で重さは10gです
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブー〈竹〉など) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
小松菜を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、小松菜(今回は約300g)、
ザル×1個、前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエー焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、 キッチンタイマー
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
ですが、クロロフィルの染色には銅媒染液がオススメです
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするためボウルに豆乳:水=1:1の液を入れてよく混ぜ、布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
濃染処理とはその名の通り、染め物を染まるようにする、または濃く染めるための工程です
染料は染め物のタンパク質と反応して色がつきます
今回の染め物は、綿100%の植物性なのでタンパク質が付ていません
そのため人工的にタンパク質を付ける必要があります
タンパク質を付けるには牛乳でもいいのですが、臭いの関係上、豆乳がオススメです!
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです!
小松菜の染料に入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
小松菜のフラボノイドの抽出と染色
冷凍保存していた小松菜と水1.5ℓをホーロー鍋に入れて火にかけます
沸騰後、火を弱め30分煮出してください
時々菜箸で揺り動かし、色素が出るようにしましょう
30分後、ザルで濾した液を再びホーロー鍋に戻します
※取り出した小松菜の出し殻は、クロロフィル抽出に使うので取っておきましょう
色が薄いので、重曹小さじ2を加えてよく混ぜたものが染料です
染料に染める布を入れて火にかけ、沸騰しないように火加減します
30分煮染めしたら火を止め、そのまま20分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液の作り方】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来るやり方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
小松菜染めした染め物を各媒染液に浸ける
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
20分後、無媒染は水で洗って乾燥させます
媒染液に浸けるものは染まった色が薄いので水で洗わず、そのまま各媒染液に浸けましょう
時々菜箸で優しく揺り動かしながら、各媒染液に20~30分浸けます
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
前述したように今回は全然染まりそうにないので、1回で終わりにしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 無媒染・アルミ・アルカリは、黄色がかっているが、ほぼ染まっていない
- 銅は、緑がかった黄色だが、ほぼ染まっていない
- 鉄は、ごく薄いくすんだ黄色
- 酸は、全く染まっていない
各媒染液の色は、銅は緑がかっていて、他は薄い黄色でした
小松菜のクロロフィルの抽出と染色
先程使った小松菜の出し殻と水1.5ℓをホーロー鍋に入れ、重曹小さじ2を加えてよく混ぜます
鍋を火にかけて沸騰したら、火を弱め30分煮出します
時々菜箸で揺り動かし、色素が出るようにしましょう
30分後、ザルで濾した液を再びホーロー鍋に戻したものが染料です
染料に染める布を入れて火にかけ、沸騰しないように火加減します
30分煮染めしたら火を止め、そのまま20分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に再び媒染液を作り直します
20分後、無媒染は水で洗って乾燥させます
媒染液に浸けるものは染まった色が薄いので水で洗わず、そのまま各媒染液に浸けましょう
時々菜箸で優しく揺り動かしながら、各媒染液に20~30分浸けます
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
前述したように今回は全然染まりそうにないので、1回で終わりにしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 銅は、少し緑がかっているがほぼ染まっていない
- 他は、全く染まっていない
各媒染液の色は、アルミ・鉄・酸・アルカリは薄い黄色、銅は緑がかっていました
小松菜の染料(クロロフィル)でウールを染めた結果
今回は、木綿ではほとんど染まりませんでした
前処理のところで書いたように、動物性であるウールの布ではどのように染まるのでしょうか?
染色前に布に付いた埃やごみを取り除くため、中性洗剤をつけぬるま湯で洗います
※ウールは動物性なので豆乳に浸ける必要はありません
木綿と同じ染料で染めてみると、かなり濃く緑(カーキ色)に染まっています
やはり、動物性の染め物は色が入りやすいことが分かりました
染色の作業が終わったら、
媒染液を十分な水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単・手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧を参照してください
最後にもう一度
小松菜を使った草木染めをするときの11のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 小松菜はフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- 小松菜の1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは沸騰しないよう火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま20分置く
- 2番抽出液(クロロフィル)は、出し殻と水を鍋に入れ、重曹を加えて煮出す
- クロロフィルの煮染めは沸騰しないよう火を弱め30分煮染め、その後火を止めそのまま20分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
今回小松菜による染色では、木綿は全然染まりませんでした
これは小松菜の量が少なかったためと思われます
なので、次回はもっと量を溜めてから染めようと思います(溜めるのに時間がかかりそうですが・・・)
もしくは、保存してあった小松菜を使い切ってしまったので試せませんが、春菊の染色のようにエタノールを使ってクロロフィルを抽出すれば染まったかもしれません
木綿に関しては残念な結果に終わりましたが、ウールはバッチリ綺麗に染まりました
植物性と動物性の染め物の違いがよく分かったので新たな発見となる染色でした
【その他の野菜染め】
春菊、ネギ、レタス、ニンジンの葉、玉ねぎ、紫玉ねぎ、カブの葉 など
次回は、濃染剤ディスポンと豆乳、市販のアルミ媒染液とミョウバンの染め比べです
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
いちご | 椿 | つつじ |
シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
サザンカ |
草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
青じそ | 春菊 | ネギ |
丸葉藍 | ディスポン,アルミ媒染液染め比べ |
コメント