毎年12月は何だかんだ忙しく、気付くと年末がやってくるという感じです
年末になると新年を迎える準備で大忙し!
新年を迎える準備の中にお節料理の仕込みもあります
お節料理といえば、前回は栗きんとんの色付けに使われるクチナシで染色しました
あと我が家の定番のものといえば『黒豆』
この黒豆でも染色できるのでしょうか?
YouTubeで黒豆を使った煮染めを公開中!
↑色素を煮出し終わった豆で黒豆作りも出来ます
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします↓↓↓
- 黒豆を使った染色ってどうやるの?
- 黒豆だけに黒に染まる?
- 媒染液による色の違いはあるの?
お節料理の一品にもなっている黒豆(くろまめ;Black bean)は、大豆の一種です
花は8月頃、実は9~10月頃につけ、皮の色が黒くなる10~12月に収穫します
この皮の黒色は赤紫系に染まることが多いアントシアニン系の色素です
今回はその黒豆で染色をします
この記事では、
- 初心者でも分かる黒豆を使った草木染めの方法
- きれいに染める簡単なやり方、コツ
を画像を交えて紹介します
黒豆作りもしたいので、直ぐに染色工程に入れず、水に12~24時間浸けるという作業があります
時間に余裕のある時に、染色日の前日から作業を開始してください
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
黒豆を使った草木染めをするときの12のポイント
- ザルに黒豆を入れて優しく洗う
- 洗った黒豆と水を調理用鍋(ステンレスかホーロー製)に入れ、フタをして12~24時間浸ける(黒豆作りもしたいため)
- 黒豆をつけていた鍋を火にかけ、沸騰後30分煮る
- 30分後、染色用鍋にザルで濾した液をうける(染料)
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 染色用鍋を火にかけ、沸騰しないように火加減をして40分煮染めする
- 時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い媒染液に20分浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
今年も年末はお節料理つくるの?
そうだね♪栗きんとんに黒豆に・・・
わ~い!食べるの楽しみ!!手伝うね♪
黒豆は染色もしてみようかな
黒豆で草木染めを始めよう
2023年11月27日天気(晴れ) 20℃ 50%
スーパーで買っておいた黒豆
買ったのは結構前だけど日持ちすると思うと直ぐにはやらないタイプ・・・
ただ『草木染めしたい』という気持ちが高まったのでさっそく染色!
と行きたいところですが、黒豆作りもしたいので染色の前日から仕込みをします
今回使ったのは黒豆(200g)
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
黒豆を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、黒豆(200g)、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、料理用鍋(ステンレスかホーロー)、
染色用鍋(ステンレスかホーロー)、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、キッチンタイマー
使用する媒染は5種類です
アルミ媒染・・・ミョウバン
銅媒染・・・酢酸銅(自作)
鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
酸媒染・・・クエン酸
アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするためボウルに豆乳:水=1:1の液を入れてよく混ぜ、布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
濃染処理とはその名の通り、染め物を染まるようにする、または濃く染めるための工程です
染料は染め物のタンパク質と反応して色がつきます
今回の染め物は、綿100%の植物性なのでタンパク質が付ていません
そのため人工的にタンパク質を付ける必要があります
タンパク質を付けるには牛乳でもいいのですが、臭いの関係上、豆乳がオススメです!
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです!
黒豆の染料に入れ煮染めする方法
今回は染色と一緒に黒豆作りもしたいので、染色日の前日から作業します
黒豆200gをザルに入れて優しく洗いましょう
洗った黒豆と水1.2ℓを料理用鍋(染色結果に影響の出ないステンレスかホーロー)に入れます
フタをして、そのまま室温で12~24時間浸けてシワがなくなる状態まで戻ししてください
※暑い時期は冷蔵庫で24時間浸けます
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
黒豆を浸けていた鍋を火にかけ、沸騰後30分煮ます
30分後、染色用鍋(染色結果に影響の出ないステンレスかホーロー)にザルで濾した液をうけます
※ザルに残った黒豆は黒豆作りに使いましょう
こちらをクリックすると『ゆる~っとものづくり』のYouTubeチャンネルの『黒豆作り』に飛べます
ザルで濾した液が少なければ水を足してよく混ぜます(今回は水500㎖)
これが染料です
※染め物が完全に浸かり、揺り動かしても余裕がある程度の水を足してください
鍋を火にかけ、沸騰しないように火加減して40分煮染めします
染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液の作り方】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来るやり方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
黒豆染めした染め物を各媒染液に浸ける
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
40分後、染料のカスが残らないように水で洗います
無媒染はここで終了です
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
時々菜箸で優しく揺り動かしながら、各媒染液に20~30分浸けます
20~30分経ったら取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染めし、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返すという作業をします
今回は1回染色・媒染した後、染色→水洗→媒染→水洗をしました
陰干ししてよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染は、グレー
- アルミは、青みがかったグレー
- 銅は、緑がかったグレー
- 鉄は、濃いグレー(無より黒っぽい)
- 酸は、ダスティピンク(くすみピンク)
- アルカリは、紫がかったグレー
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミは紫、銅と鉄は黒ずんでいる、酸はピンク、アルカリは黒ずんだ紫
染色の作業が終わったら、
媒染液を十分な水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単・手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧を参照してください
最後にもう一度
黒豆を使った草木染めをするときの12のポイントをおさらいします
- ザルに黒豆を入れて優しく洗う
- 洗った黒豆と水を調理用鍋(ステンレスかホーロー製)に入れ、フタをして12~24時間浸ける(黒豆作りもしたいため)
- 黒豆をつけていた鍋を火にかけ、沸騰後30分煮る
- 30分後、染色用鍋にザルで濾した液をうける(染料)
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 染色用鍋を火にかけ、沸騰しないように火加減をして40分煮染めする
- 時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い媒染液に20分浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
今回は黒豆で草木染めをしました
見た目が真っ黒で何色に染まるのか分かりませんでしたが、結果を見るとグレー系で染め分けが出来ました
画像では分かりにくいですが、アルミの青系、酸のピンク系は落ち着いたいい色です
黒豆は染色と料理両方楽しめてお得感があります
また色素を取り出した黒豆を捨てるのではなく料理に使えるので無駄がない点でもオススメの材料です
ただ黒豆を煮出した色素を染色に使ってしまうので、
料理で出来上がった黒豆は黒豆ではなく『茶豆』になってしまいますが(;’∀’)
次回は、小松菜を使った煮染めです
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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