お正月に食べるお節料理はたくさん種類があって見ているだけでワクワクします
中でも栗きんとんはホッとするような優しい甘さで我が家でも大人気です
そんな栗きんとんの色付けに使われるクチナシ
そのクチナシを染色に使うと栗きんとんのような色になるのでしょうか?
YouTubeでクチナシの実を使った煮染めを公開中!
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
高評価・チャンネル登録、是非よろしくお願いします↓↓↓
- クチナシを使った染色ってどうやるの?
- 栗きんとんのような色になるの?
- 媒染液による染め分けってできる?
アカネ科クチナシ属のクチナシ(山梔子〈くちなし〉;gardenia)は、常緑低木です
6~7月に白い花を咲かせ、その花はだんだん黄色みを帯びてきます
10~11月ごろに赤色っぽい実をつけ、それを乾燥したものは生薬や漢方、着色料として使われます
今回はそのクチナシの実で染色をします
クチナシ染めではどんな色になるのか楽しみです
この記事では、
- 初心者でも分かるクチナシの実を使った草木染めの方法
- きれいに煮染めする簡単なやり方、コツ
を画像を交えて紹介します
クチナシの実はスーパーやデパートの食材売り場で手に入れられる材料です
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
クチナシの実を使った草木染めをするときの14のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 染め物と同量~2倍のクチナシの実を不織布に入れる
- 不織布に入れたクチナシの実とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後火を弱め20分煮出す
- 20分後、クチナシの実を取り出したものをボウルに移し1番抽出液とする
- 取り出したクチナシの実とたっぷりの水を再びホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後火を弱め20分煮出し、クチナシの実を取り出したものを2番抽出液とする
- 1番抽出液と2番抽出液を混ぜたものを染料とする
- 煮染めは30分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い媒染液に20分浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
布を明るい黄色に染める材料ってない?
ん~・・・なら、クチナシはどうかな
クチナシ??
お節料理の栗きんとんの色付けに使う材料だよ
クチナシの実で草木染めを始めよう
2023年11月2日天気(晴れ) 24℃ 50%
ウコン以外に濃くて明るい黄色に染まる材料はないかなと考えたときに思い付いたのがクチナシです
何気にネットで調べているとクチナシが売っていたので、さっそく購入!
草木染めするとどんな色に染まるのか楽しみです
先ずは染め物と同量のクチナシ(10g)で染めてみます
※私的には2倍量のクチナシの実で染めた方が好みの色です
こちらの草木染め用の山梔子(クチナシ)は直ぐに染色が出来るように実が細かく砕かれています
また染色のマニュアル、不織布、ゴム手袋、輪ゴム付きなのでとっても便利です↓↓↓
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
クチナシの実を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、クチナシ(10g)、
前処理用ボウル×1個、1番抽出液を入れるボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、キッチンタイマー、不織布、輪ゴム
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
クチナシはよく染まるので濃染処理は必要ありませんが、
染まり方の差を見るため、いつも通り豆乳:水=1:1の液に布を浸しタンパク質を付けます(染め物の濃染処理)
濃染処理とはその名の通り、染め物を染まるようにする、または濃く染めるための工程です
染料は染め物のタンパク質と反応して色がつきます
今回の染め物は、綿100%の植物性なのでタンパク質が付ていません
そのため人工的にタンパク質を付ける必要があります
タンパク質を付けるには牛乳でもいいのですが、臭いの関係上、豆乳がオススメです!
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです!
クチナシの実の染料に入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
染め物の重さと同量のクチナシの実(10g)を不織布に入れ、輪ゴムで縛ります
不織布に入ったクチナシの実と水1.0ℓをホーロー鍋に入れ火にかけます
沸騰したら火を弱めて、沸騰しないように火加減(70~80℃)
時々菜箸で揺り動かしつつ20分煮出しましょう
20分後、煮出した液からクチナシの実を取り出してボウルに移したものを1番抽出液とします
※取り出したクチナシの実は使うので取っておいてください
先程取り出したクチナシの実と水1.0ℓをホーロー鍋に入れ火にかけましょう
沸騰後、火を弱めて再び20分煮出し、クチナシの実を取り出したものを2番抽出液とします
そこに先程の1番抽出液を加えてよく混ぜたものがクチナシの実の染料です
染料が沸騰しないように火加減し、染め物を入れて20~30分煮染めします(今回は30分)
染めムラ防止のため時々菜箸で揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染めの媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液の作り方】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来るやり方!の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
クチナシ染めした染め物を各媒染液に浸ける
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
30分後、染料のカスが残らないように水で洗います
無媒染はここで終了です
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
時々菜箸で優しく揺り動かしながら、各媒染液に20~30分浸けます
20~30分経ったら取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染めし、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返すという作業をします
今回は1回で終わりにしました
クチナシ染めは日光が当たることによる退色の心配がある(日光堅牢度の低下)ので、
陰干ししてよく乾かしアイロンを掛けます
- 無媒染は、明るい黄色
- その他は多少の違いはあるものの少し薄くて優しい黄色(ひよこ色)
染まる色が薄いためか媒染液による差があまり見られませんでした
媒染が終わった後のボウルの中は、全て明るい黄色になりました
鉄媒染液の黄色が濃く見えるのは媒染液自体が黄色いためです
何となく気になったので、次の日にクチナシの実を2倍にして染めてみました
染色工程は上記と同様にしています
私的にこちらの色の方が好きです
- 無・アルミは、濃くて明るい黄色
- 銅は、少しくすんだ黄色
- 鉄は、からし色(マスタード)
- 酸・アルカリは、黄色(無・アルミより薄い)
染色の作業が終わったら、
媒染液を十分な水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単・手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧を参照してください
最後にもう一度
クチナシの実を使った草木染めをするときの14のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 染め物と同量~2倍のクチナシの実を不織布に入れる
- 不織布に入れたクチナシの実とたっぷりの水をホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後火を弱め20分煮出す
- 20分後、クチナシの実を取り出したものをボウルに移し1番抽出液とする
- 取り出したクチナシの実とたっぷりの水を再びホーロー鍋に入れ火にかける
- 沸騰後火を弱め20分煮出し、クチナシの実を取り出したものを2番抽出液とする
- 1番抽出液と2番抽出液を混ぜたものを染料とする
- 煮染めは30分、沸騰しないように火加減し時々菜箸で揺り動かしながら染めムラを防止する
- 染色後、染め物を水で洗い媒染液に20分浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染に影響してしまうので、なるべく離しておき作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、染めムラ防止のため媒染液をしっかりと洗い落とす
初めに染め物と同量のクチナシの実で染色しました
どの媒染でも薄くて優しい黄色で可愛かったのですが、媒染液による違いは分かりませんでした
これは染まっている色が薄いために媒染剤があまり反応できなかったためではないかと思います
なので次の日に2倍のクチナシの実で染色をしてみました
すると、もちろん濃く染まりましたし、媒染液による違いも分かるようになりました
あなたがクチナシ染めをするときに濃い色がいい!とか
媒染液で染め分けたい!という場合は、
染め物と同量のクチナシの実にしたときは、染色→水洗→媒染→水洗という作業を繰り返す、
もしくは、クチナシの量を染め物の2倍にすることをオススメします!
また今回は草木染め用のクチナシを使いましたが、食材売り場でも売っていますので
栗きんとん作りをして余ったら染色に挑戦してみるのも楽しいと思います
次回は黒豆で染色をします
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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