味覚の秋というように、この季節になると旬を迎える美味しい食材がいっぱいあります
その中でもサツマイモは焼き芋にして食べると甘くて香ばしいです
毎回焼き芋を作るときに皮をむいて保存していたものが溜まってきたので、今回はそのサツマイモの皮で草木染めをします
YouTubeでサツマイモの皮を使った煮染めを公開中!
可愛い色に染まっています↓↓↓
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
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ヒルガオ科サツマイモ属のサツマイモ(薩摩芋:sweet potato)は、中南米原産の多年草で高温や乾燥に強く日本でも各地で栽培されています
旬は9~11月で、おかずやデザートにしたり焼酎などのお酒にも利用される身近な野菜です
さつまいもの皮は赤紫・黄色・白など色々な種類があり、
染色には赤紫の皮を使います
- さつまいもの皮を使った染色ってどうやるの?
- 皮のような赤紫に染まるの?
大学芋を作るときの皮を取っておいたり、焼き芋を作るときは皮をむくようにして集めていきます
皮は冷凍して保存できるので少しずつでも地道に溜めていきましょう
この記事では、
- 初心者でも分かるサツマイモの皮を使った草木染めのやり方
- 簡単にサツマイモの皮の色素を取り出す方法
を画像を交えて紹介します
鮮やかなサツマイモの皮の色素で染色をすると綺麗な色に染まります
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
さつまいもの皮を使った草木染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 冷凍したサツマイモの皮と、たっぷりの水をホーロー鍋に入れる
- クエン酸を小さじ山盛り1を加えて火にかける
- 沸騰後火を弱め60分煮出す
- 煮出したサツマイモの皮をザルで濾したものを染料とする
- 染め物を入れ沸騰しないように火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 煮染め後は水で洗わず、そのまま媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は媒染液をしっかりと洗い落す
美味しそうなサツマイモを買ってきたよ
大きいね!焼き芋にでもしようか♪
わーい!うれしい♪
サツマイモって中は黄色っぽいのに皮は綺麗な赤紫だよね
この皮、草木染めに使えそうだね!
さつまいもの皮で野菜染めを始めよう
2022年10月7日天気(雨) 22℃ 60%
スーパーで美味しそうなサツマイモが売っていました
同じサツマイモでも草木染めをしようと思って見ていると皮の色に差があることに気付きます
その中で、なるべく皮の赤紫色が濃いものを選びました
料理の際にピーラーなどで皮をむいて冷凍して溜めていきましょう
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、重さは全部で10g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
さつまいもの皮は158g用意しました
※結論から言うと、この量だと薄く染まるので2倍くらい用意するといいです
さつまいもの皮を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、さつまいもの皮(今回は158g)、
ザル×1個、ザルで濾したものを受ける容器×1個、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエー焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹((株)ビバホーム)、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、タイマー
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
※動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして、平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいのでオススメです
さつまいもの皮の染料に染め物を入れ煮染めする方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
冷凍保存していたサツマイモの皮と水1.5ℓをホーロー鍋に入れ、
そこにクエン酸小さじ山盛り1を加えて火にかけます
※クエン酸を加えて煮出すと鮮やかな色が抽出できます
沸騰後、少し火を弱め時々菜箸で揺り動かしつつ60分煮出します
60分後、ザルにキッチンペーパーなどを敷いて濾したものが染料です
※皮には実が付いていて煮出した液がドロドロしているのでキッチンペーパーなどを使って濾しましょう
染料の入ったホーロー鍋に染める布を入れて、沸騰しないよう火を弱めて30分煮染めします
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液(色止め・発色の効果)を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、
【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
さつまいもの皮染めの布を各媒染液に浸ける
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
30分後、無媒染は布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
※無媒染でもクエン酸を加えて色素を煮出しているので、酸媒染しているのと同じような効果があります
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
媒染をする布は染料から取り出して水洗いをせず(※染まる色が薄いため)に、そのまま媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしてください
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしてください
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め
- 水で洗わず媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は色が薄かったのでもう一度染色・媒染をしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 無媒染は、明るいピンク
- アルミは、淡い黄色
- 銅は、少し青みがかった淡い黄色
- 鉄・酸は、ほぼ染まっていない
- アルカリは、薄い茶色
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミ・鉄・酸は薄いピンク、銅は変わらず、アルカリは黒ずんでいました
染色の作業が終わったら、
媒染液を水で希釈して、水道の水を流しながら少しずつ捨てます
使った道具やシンクなどは綺麗に洗い流し、最後にしっかり手を洗いましょう
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
さつまいもの皮を使った草木染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 冷凍したサツマイモの皮と、たっぷりの水をホーロー鍋に入れる
- クエン酸を小さじ山盛り1を加えて火にかける
- 沸騰後火を弱め60分煮出す
- 煮出したサツマイモの皮をザルで濾したものを染料とする
- 染め物を入れ沸騰しないように火を弱め30分煮染めする
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 煮染め後は水で洗わず、そのまま媒染液に浸ける
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は媒染液をしっかりと洗い落す
今回使ったサツマイモの皮は鮮やかな赤紫色(アントシアニン)でしたが、
色素を取り出してみると紫っぽさは無くなり赤みが強くなりました
その染料で染めると、無媒染では可愛らしい明るいピンクに染まります
染色結果を見ると、やはり全体的に薄いのでサツマイモの皮は多めに用意することをオススメします
秋の味覚の材料を使って、
季節の移り変わりを感じながら草木染めを楽しみましょう♪
次回は、栗の皮で染色します
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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