冬ごろに近所を散歩していると、お庭で鮮やかな色のお花をたくさん咲かせている椿
綺麗なのですが、お花が終わると丸ごと地面に落ちてしまいます
大きくて華やかなお花が勿体無い!!
そこで今回はツバキの花びらで草木染めをします
YouTubeで椿を使った花びら染めを公開中!
↑無媒染・銅媒染・鉄媒染で染め分けしています
こちらはショート動画ですが、フルバージョンもありますので、
『ゆる~っとものづくり』のチャンネルより
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- ツバキを使った花びら染めってどうやるの?
- 鮮やかな色を出すにはどうすればいいの?
ツバキ科ツバキ属の常緑樹であるツバキ(椿、海石榴:camellia)は、日本原産で庭木としてよく見かける馴染み深い植物です
花は冬から春ごろに咲き、花びらには厚みがあります
散るときは雄しべと共に丸ごと落ちるので、縁起が悪いといわれてしまうこともあるようです
その、道にたくさん落ちている、
まだまだ綺麗なツバキを集めて雄しべと雌しべを取り除き、
花びらのみを草木染めが出来る量になるまで冷凍して溜めていきます
※冷凍することによって細胞が壊れて、色素が取り出しやすくなります
この記事では、
- 初心者でも分かるツバキを使った花びら染めの方法
- 鮮やかな色合いに染め分ける簡単なやり方、コツ
を画像を交えて紹介します
花びら染めは火を使わないのでお子さんと楽しんだり、自由研究のテーマにもおすすめです
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
ツバキを使った花びら染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ツバキは雄しべ・雌しべを取り除き、花びらのみを冷凍で保存する
- 草木染めに使用するときは、電子レンジで温めると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたツバキの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中の花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- 花びらの入った不織布を取り除き水を加え、よく混ぜ染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
ツバキのお花って結構大きくてきれいだなぁ~
咲き終わったお花が道にいっぱい落ちちゃってるよ・・・
まだまだきれいなのに、もったいないなぁ
何かに使えないかな?
ツバキの花びらの色の布って可愛いんじゃないかな?
染色に使ってみよう!
つばきで草木染めを始めよう
2022年4月2日天気(晴れ) 23℃ 30%
いつか花びら染めをするためにコツコツ冷凍して溜めていたツバキの花びら
必要な量が溜まったので草木染めをしていきます
冷凍をしていると長期間保存できるので、好きな時に染色を楽しめます
お花の時期じゃない時にも出来るし、更に色素も取り足しやすくなるのでオススメです
染める布は綿100%でサイズは約11×11cmが6枚、布の重さはハンドメイドパーツを含めて全部で20g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
ツバキの花びらは濃い赤色のものを50g使います
※染める布の重さによって花びらの量を調節してください
ツバキを使った花びら染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、ツバキの花びら(今回は50g)、
前処理用ボウル×1個、
色素を揉みだす用のボウル×1個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエーの焼ミョウバン)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸(健栄製薬(株)クエン酸結晶)、重曹(マルフクケミファ(株))、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15ml)、
食物酢、計量スプーン、水、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、不織布、輪ゴム、ビニール手袋
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
植物性の布はタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます
動物性のシルクやウールなどの布には動物性タンパク質が付いているので濃染処理は必要ありません
20~30分浸したらタンパク質が落ちてしまうので水では洗わず、
そのまま固く絞りシワをしっかり伸ばして平置きでよく乾かしましょう
※平置きにすることで染めムラを軽減することが出来ます
くっさ~くなってしまうので、よく晴れた日に干して手早く乾燥させます
晴れた日にまとめて前処理をしておいて、使わない布はジップ式のビニール袋に入れて冷凍しておきましょう
乾燥した布はアイロンをかけておくと保存しやすいですよ♪
つばきの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきましょう
冷凍していたツバキを耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジで約40秒温めます
使う前までに自然解凍でもいいです
冷凍のままだと手が冷たくて作業が続けられません
解凍したツバキ50gを不織布に入れ、中身が出ないように輪ゴムで縛ります
ボウルに不織布に入ったツバキと食物酢250㎖を入れます
手荒れ防止にビニール手袋をして、不織布の中のツバキをすり潰すように揉みます
全体をすり潰してツバキの花びらのアントシアニンという色素が充分抽出できたら、不織布をよく絞って取り除きます
不織布に入れるとザルで濾す必要が無いので楽チンです!
何だか泡立って、いちごスムージーみたいになりました(*^-^*)カワイイ♪
抽出した色素に染める布にかぶる程度の水を加えて、よく混ぜたものを染料とします
今回は水250㎖を加えました(なるべく水は少なめがいいです)
そこに布を浸けて、時々菜箸で揺り動かしつつ1時間待ちます
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
つばき染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
1時間後、布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
花びら染めでは食物酢で色素を出しているので、無媒染でも酸による色止めの効果があります
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ他の媒染液から離してください
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら、
- 再び染料に入れ20分浸けて、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回の分量と方法でやると1回できれいに染まりました
日陰でよく乾かしアイロンを掛けます
↑花びら染めキットを作りました!
- 無媒染は、少し紫がかった鮮やかな濃いピンク
- アルミ(ミョウバン)は、少し紫がかったかなり薄い水色
- 銅は、鮮やかな濃い水色
- 鉄は、少しくすんだ薄い紫(藤色)
- 酸(クエン酸)は、明るい苺ミルクのようなピンク(パステルピンク)
- アルカリ(重曹)は、ほぼ染まっていない
アルカリ媒染は中和されてしまったため色がほとんど付かなかったと思われます
さつまいもの皮の無媒染では明るく可愛いピンクでしたが、椿の無媒染の色は濃いピンクです
同じ水色でも、丸葉藍の生葉染めでは雲一つない晴れた空のような爽やかな色に染まりました
媒染が終わった後のボウルの中は、
アルミは鮮やかな紫、銅は薄いピンク、鉄は少し黒ずんだ薄いピンク、
酸は鮮やかなオレンジがかったピンク(サーモンピンク)、アルカリは薄い暗紫色でした
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度、
ツバキを使った花びら染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- ツバキは雄しべを取り除き、花びらのみを冷凍で保存する
- 草木染めに使用するときは、電子レンジで温めると色素が取り出しやすくなる
- 不織布に入れたツバキの花びらと食物酢をボウルに入れる
- ビニール手袋をして、不織布の中の花びらをすり潰すように揉んで色素を出す
- 花びらの入った不織布を取り除き水を加え、よく混ぜ染料とする
- 染める布を入れて1時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染→水洗を気に入った色になるまで繰り返す
- 染色後はしっかりと洗い流す
ツバキには様々な色の花がありますが、
濃く鮮やかに染めたい場合は赤色の濃い花びらのものを選ぶことをお勧めします
以前染色したヒメヒオウギズイセンでは
花びらがオレンジで染料も濃いオレンジだったのでオレンジ系に染まりました
今回のツバキではピンク系だけでなく、水色や紫にも染め分けられるので、
お子さんと体験しても楽しめる材料です
花びら染めは火を使わないという点でも安全に染色できます
次回は、よもぎで染色します
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
材料を煮出して抽出した染料に染め物を入れ、火にかけて染色する方法草木染め:花びら染め一覧
材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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シラン | 赤紫蘇(あかじそ) | ヒメヒオウギズイセンキット |
ミョウガ(茗荷) | ボケ(木瓜) | アルストロメリア |
サザンカ |
草木染め:その他
草木染めの基礎知識や媒染液、エタノール抽出、藍染に関する記事鉄媒染液・銅媒染液 | 媒染液の種類・調整方法 | 基礎知識・道具一覧 |
青じそ | 春菊 | ネギ |
丸葉藍 | ディスポン,アルミ媒染液染め比べ |
コメント
ツバキってこんなことできるのですね。
草木染めについて、実はよく知りませんでした。
こういうことはしたこともないですが、見ていて面白かったです。
綺麗な色が出ますね。
花が終わってポトっと落ちてしまう椿、有効活用できていいなと思いました。
コメントありがとうございます。
草木染めは季節の植物や野菜などを使って、自然と触れ合える楽しい染色です。
その中でも、花びら染めは特に綺麗に染め分けられます。
これからは、ツツジのお花が終わる頃なのでオススメです。
夏には、なすの皮を使った染色も青系に染まって綺麗ですよ。