寒くなってくると鍋料理が食べたくなってきますよね
春菊を入れると独特の風味と食感がおいしいです
春菊(シュンギク、菊菜)は、キク科シュンギク属の植物です
冬が旬ですが、3~5月に種をまき初夏に収穫したり、9~10月に種をまき秋から春に収穫することもあるので、ほぼ1年中スーパーなどに流通しています
今回は、そんな春菊を使った草木染めです
春菊の草木染めってどうやるの?
春菊は、パセリ、青じそ、小松菜と同じで黄色い色素のフラボノイドと、緑の色素のクロロフィルの2種類が抽出できます
この記事では、
- 初心者でも分かる春菊を使った草木染めの簡単な方法
- 春菊から2種類の色素を抽出するやり方
を画像を交えて紹介します
今回はスーパーの見切り品で大量に手に入れることが出来たので、草木染めをしたいと思います
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
春菊を使った草木染めをするときの11のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 春菊はフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- 春菊の1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは沸騰後火を弱め20分煮染め、その後火を止めそのまま30分置く
- 2番抽出液(クロロフィル)はエタノールを加え、すり鉢ですり潰して抽出する
- クロロフィル抽出液を各媒染液ごとに分けて、抽出液に直接媒染液を入れて布を2時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
春菊っておいし~い♪
栄養もたっぷりって感じ
緑が濃いし、確かに栄養ありそう!
草木染めも出来そうな予感
さっそく試してみよう
春菊で草木染めを始めよう
2021年11月6日天気(晴れ) 20℃ 40%
スーパーの見切り品で春菊が出ていました
見た目的に食べるにはちょっと抵抗がある感じだったので染色に使ってみようと思います
色素が抽出しやすくなるので一度冷凍保存したものを使うといいです
春菊からは2種類の色素が抽出できます
- 黄色い色素のフラボノイド
- 緑の色素のクロロフィル
今回は2種類の染料で染めます
染める布は綿100%、
サイズは約11×11cmが6枚と後日ハンドメイドで使用するパーツで、重さは全部で19g
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
春菊は全部で300gです
春菊を使った染色の材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマン調整豆乳)、春菊(今回は300g)、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はケンエー焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、
クエン酸、重曹、消毒用エタノール、ザル×1個、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、計量カップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、ナイフ、まな板、不織布、不織布を縛る糸、すり鉢、すりこぎ棒
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
草木染め:染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけ、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料はタンパク質が無いと染まりにくいです
植物性の染め物(木綿など)は、タンパク質が無いので豆乳などで人工的にタンパク質をつけてから染色作業に入ります
※動物性の染め物(ウール、シルクなど)は、初めから動物性たんぱく質があるので濃染処理の必要はありません
20~30分浸したら水洗いをせずそのまま固く絞り、シワをしっかり伸ばし平置きでよく乾かしましょう
春菊の染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
春菊のフラボノイドの抽出と染色
春菊を細かく切ります
切った春菊を不織布に入れて、中身が出ないように糸で縛ります
ホーロー鍋に春菊とたっぷりの水(1.5ℓ)を入れ火にかけます
沸騰後少し火を弱め15~20分煮出します
不織布が破れない程度に時々菜箸で春菊をつつき、色素が出るようにしましょう
春菊を取り除き煮出し液を別の容器に取り、先程取り出した春菊を再び鍋に入れ同様に煮出します
1回目煮出したものと2回目煮出したものを足したものが1番抽出液(フラボノイド)です
※取り出した春菊の出し殻は、クロロフィル抽出に使うので取っておきましょう
ホーロー鍋に染める布を入れて火にかけます
沸騰後火を弱め20分煮染めして、火を止めそのまま30分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
春菊染めした布を水で洗い、各媒染液に浸ける
30分後布を取り出し、染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染に使用する菜箸は、鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は1回で終わりにしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
- 無媒染・酸(クエン酸)は、薄い黄色
- アルミ(ミョウバン)・アルカリ(重曹)は、無媒染・酸より濃いくすんだ薄い黄色
- 鉄は、若干茶色がかったくすんだ薄い黄色
- 銅は、緑がかった薄い黄色
各媒染液の色は、
アルミは薄い黄色、銅・鉄・酸は変化なし、アルカリは若干茶色がかっていました
【黄色に染まる他の材料】
>【笹で草木染め♪】優し色合いの黄色系に染まる!初心者でも出来る簡単な煮染めのやり方
>【ニンジンの葉で草木染め♪】2つの色素で黄色と緑に!初心者からでも出来る簡単なやり方・コツ
春菊のクロロフィルの抽出と染色
先程フラボノイドを抽出した出し殻の春菊をすり鉢に入れ、エタノールを100㎖を加えてすり潰します
すり潰したら、水300㎖を加えてザルで濾すという作業を3回繰り返します
この抽出液を各媒染液ごとに容器に分け、抽出液に直接媒染液を入れたものを染料とします
無媒染と鉄媒染は撮影し忘れました・・・_(._.)_ペコリ
左からアルミ・銅・酸・アルカリ
染める布を2時間浸けて染色をした後、水洗いして優しく水気を切りましょう
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
↓↓↓ウコン草木染めキット販売\残りわずか/
- 無媒染・アルカリは、ごく薄く緑がかっている
- アルミ・鉄は、くすんだ薄い緑
- 酸は、黄色がかった薄い緑
- 銅は、薄いカーキ色
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
春菊を使った草木染めをするときの11のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- 春菊はフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- 春菊の1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- フラボノイドの煮染めは沸騰後火を弱め20分煮染め、その後火を止めそのまま30分置く
- 2番抽出液(クロロフィル)はエタノールを加え、すり鉢ですり潰して抽出する
- クロロフィル抽出液を各媒染液ごとに分けて、抽出液に直接媒染液を入れて布を2時間浸ける
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
春菊は黄色と緑色の2種類の色素で草木染めが出来ます
特にフラボノイドは薄くなってしまうので材料の量は多めにすることをお勧めします
クロロフィルのエタノール抽出はすり鉢が大変ですが、
細かく刻みフラボノイドで煮染めした後なのでやりやすかったです
緑に染める材料として他にも、
ニンジンの葉・柚子の葉・青じそ・ネギ・よもぎ・カブの葉でもクロロフィルによる染色をしています
それぞれ草木染めらしい優しい緑に染まっていますよ☆
ゴロゴロ野菜を使ったスープは、【子供と一緒にカンタン楽しい料理体験】GREEN SPOON徹底レビュー!口コミでも人気のおすすめミールキットの記事へ
次回は、ウコンの葉で染めます
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
草木染め:煮染め一覧
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材料を食物酢の中で揉みこんで色素を抽出した染料に、染め物を浸けて染色する方法ヒメヒオウギズイセン | なすの皮 | ブドウ |
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