サンドイッチや唐揚げなど、いつも添え物として
そっとお皿の上に乗っているパセリ
セリ科の二年草であるパセリ(旱芹菜、旱芹)は、栄養価が高く、葉の緑が濃くなる冬が旬です
普段は全く目立たない存在ですが、
実は今回、草木染めをしたところ思いがけない色に染まったんです!
その色というのもピンク!
どうやったら緑のパセリがピンクに染まるのか?
パセリは、青じそと同じで黄色い色素のフラボノイドと、緑の色素のクロロフィルの2種類が抽出できます
ピンクに染まるなんて思えませんよね
この記事では、
- 初心者でも分かるパセリを使った草木染めの簡単な方法
- パセリから2種類の色素を抽出するやり方
- ピンクに染まるまでの過程
を画像を交えて紹介します
今回はスーパーの見切り品で大量に手に入れることが出来たので草木染めをしたいと思います
染める日まで冷凍保存しておきました
おうち時間でお子さんと一緒に『ものづくり』を楽しみませんか?
一緒に試行錯誤しながら色々なもので染め物をしてみましょう♪
【草木染めをした布で優しく自然な色合いの小物を作っています↓】
パセリを使った草木染めをするときの12のポイント
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- パセリはフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- パセリの1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水に重曹などを入れアルカリ性に傾けてから煮出す
- 2番抽出液は染める前にクエン酸などを入れて中和してから染める
- 染色は沸騰後火を弱め5分煮染め、その後火を止めそのまま30分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 1番抽出液の鉄媒染でピンクに染まる
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
玉子サンドにパセリついてた
パセリって彩りにいいよね
その緑で草木染めできるのかな?
どうなんだろう?やってみよう!
パセリで草木染めを始めよう
2021年8月9日天気(晴れ) 29℃ 60%
以前、スーパーの見切り品で大量にパセリが出ていたので、染色に使おうと思い冷凍保存していました
冷凍すると色素が抽出しやすくなります
〈草木染めに使うパセリの色素〉
- 黄色い色素のフラボノイド
- 緑の色素のクロロフィル
今回はこの2種類の染料で染めます
染める布は綿100%で、サイズは約11×11cmが各染料6枚ずつです
染め物の素材には、草木染めに向いているものと向いていないものがあります
❀草木染めに向いている素材❀
◎ | 前処理なしで良く染まるもの | シルク、ウールなどの動物性のもの |
〇 | 前処理をすると染まるもの | 木綿、レーヨン、麻などの植物性のもの (布以外・・・紙、バンブーなど) |
❀草木染めに向いていない素材❀
△または× | 染まらない もしくは染まりにくいもの | ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの化学繊維 |
1つの染料で染める布の重さは全部で10g
パセリは葉も茎も使います
重さは全部で164g
※後述しますが、実は今回クロロフィルの緑は色が入りませんでした
パセリを使った煮染めの材料・道具
綿100%の布、豆乳(今回はキッコーマンおいしい無調整豆乳)、パセリ(今回は164g)、
前処理用ボウル×1個、
媒染液用ボウル×5個(ボウルはステンレス製かプラスチック製かホーロー製)、
焼ミョウバン(今回はみたけの焼みょうばん)、銅媒染原液、鉄媒染原液、クエン酸、重曹、
カンロ杓子×2個(媒染液をすくう用のかき氷シロップかけるやつ1杯15㎖)、
計量スプーン、水、ホーロー鍋、目盛付きのコップ、菜箸×2膳(今回は割り箸)、
キッチンスケール、ナイフ、まな板、不織布、不織布を縛る糸、リトマス試験紙
使用する媒染は5種類です
- アルミ媒染・・・ミョウバン
- 銅媒染・・・酢酸銅(自作)
- 鉄媒染・・・酸化第二鉄(自作)
- 酸媒染・・・クエン酸
- アルカリ媒染・・・重曹
媒染液による色の違いをみるため、色んな種類を用意しました
実際にあなたが染める際は、今回の染まりあがりを見て必要な媒染液を用意してください
媒染液用ボウルも媒染液の数だけ用意します
染めたい布に前処理をする方法
布の汚れや糊などを落とすために少量の中性洗剤をつけて、ぬるま湯でよくもみ洗いし絞ります(染め物の精錬)
染料が入りやすくするため豆乳:水=1:1の液をボウルに入れてよく混ぜ、そこに布を浸しましょう(染め物の濃染処理)
染料は染め物にタンパク質が無いと染まらないので、豆乳により人工的にタンパク質をつけます(大豆たんぱく)
20~30分浸したら固く絞り、平置きでよく乾かしましょう
パセリの染料に入れ染色する方法
前処理して乾燥した布は、染色の前までにぬるま湯で洗って柔らかくしておきます
フラボノイドの抽出
パセリを細かく切ります
切ったパセリを不織布に入れて、中身が出ないように糸で縛りましょう
ホーロー鍋にパセリとたっぷりの水(1.0ℓ)を入れ火にかけます
沸騰後少し火を弱め15~20分煮出します
不織布が破れない程度に時々菜箸でパセリをつつき、色素が出るようにしましょう
これを1番抽出液(フラボノイド)とします
1番抽出液を使った染色
ホーロー鍋に染める布を入れて火にかけます
沸騰後火を弱め5分煮染めし火を止めて、そのまま30分染料に浸けておきます
染めムラ防止のため、時々菜箸で布を揺り動かしましょう
この間に媒染液を作ります
草木染め:媒染液を調整する
今回使う鉄と銅媒染液は自分で作ったものです
作り方は、【草木染め鉄媒染液・銅媒染液】釘や銅線を使って初心者でも簡単に出来る作り方!
の記事に書いてあります
【各媒染液の調整については、こちら↓↓↓】
パセリ染めをした布を水で洗い各媒染液に浸ける
30分おいたら布を取り出し染料のカスが残らないように水で洗います
水気を切るときは固く絞らず優しく押して水気を切りましょう
無媒染はここで完了です
媒染に使用する菜箸は、
鉄媒染用だけ分かるようにテープなどで印を付けて、更に鉄媒染液だけ離しておきます
水気を切った布を各媒染液に20~30分浸けます
時々菜箸で優しく揺り動かしましょう
20~30分経ったら、取り出して水でよく洗います
この時も鉄媒染だけ別にしましょう
もし、洗い終わって色が思ったより薄いと感じたら
- 再び染料に入れ10分煮染め後、水洗い
- 媒染液に10分入れて媒染し、水洗い
という工程を気に入った色になるまで繰り返します
今回は染色→媒染を2回ずつしました
日陰でよく乾かして、アイロンを掛けます
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- 無媒染、アルミ(ミョウバン)、酸(クエン酸)、アルカリ(重曹)は、染まらず
- 銅は、薄いライムイエロー(若干緑がかった薄い黄色)
- 鉄は、優しいベビーピンク(肌色がかったピンク)
鉄媒染液に浸けて、しばらくするとオレンジ~茶色っぽい色になり、
媒染後、水洗いをしてみると優しいピンクになったので本当に驚きました
各媒染液の色はこんな感じです
鉄は茶色っぽいオレンジ、アルカリは黄色、
アルミ、銅、酸は、変化がありませんでした
クロロフィルの抽出
先程フラボノイドを抽出したパセリをホーロー鍋に入れ、そこにたっぷりの水(1.0ℓ)を入れます
リトマス試験紙を入れると中性です
重曹を小さじ2~3入れて良く溶かしアルカリに傾けます
沸騰後少し火を弱め15~20分煮出します
不織布が破れない程度に時々菜箸でパセリをすり潰すようにつつき、色素が出るようにしましょう
これを2番抽出液(クロロフィル)とします
2番抽出液による染色
2番抽出液に布を入れて火にかけます
1番抽出液と同様に染めて媒染します
媒染液は新たに調整し直してください
染色→媒染を3回繰り返しましたが、全然色が入りませんでした
これは、パセリの量が少なすぎたせいではないかと思われます
青じその緑染色では、かなりの量を使ったので、しっかり緑に染まりました
元々パセリはクロロフィルが少ないそうなので、やはり量が必要だと思います
草木染めの始め方(基礎知識と道具一覧)については、
【初心者でも簡単&手軽に草木染めが始められる!】草木染めって何?必要なものは?これで草木染めのやり方がまるっと分かる!材料・道具一覧
を参照してください
最後にもう一度
パセリを使った草木染めをするときの12のポイントをおさらいします
- 染める前に染め物を豆乳で前処理をして、平置きでしっかり乾燥させる
- 乾燥した染め物は染料に入れる前までにぬるま湯で柔らかくしておく
- パセリはフラボノイド(黄色)、クロロフィル(緑)の2種類の色素で染められる
- パセリの1番抽出液(フラボノイド)は、たっぷりの水で煮出す
- 2番抽出液(クロロフィル)は、たっぷりの水に重曹などを入れアルカリ性に傾けてから煮出す
- 2番抽出液は染める前にクエン酸などを入れて中和してから染める
- 染色は沸騰後火を弱め5分煮染め、その後火を止めそのまま30分置く
- 染めているときは菜箸で揺り動かし染めムラを防止する
- 鉄媒染液は他の媒染液に影響してしまうので、なるべく離して置き、作業も別で行う
- 媒染後、色が薄いと感じたら、染色→水洗→媒染を気に入った色になるまで繰り返す
- 1番抽出液の鉄媒染でピンクに染まる
- 媒染後は、媒染液をしっかりと洗い落す
パセリは黄色と緑色の色素で草木染めが出来ます
今回は黄色の色素フラボノイドで、銅媒染では黄色系、鉄媒染をするとピンク系に染まりました
意外な色に染まると草木染めの面白さを感じます♪
新たな発見!!
クロロフィルの緑染めは、また少しずつパセリを溜めて挑戦したいです!
その他、ニンジンの葉・柚子の葉・青じそ・ネギ・春菊・よもぎ・ウド・カブの葉などの野菜でも染色しています
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次回は、アボカドの皮で染色したいと思います
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
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